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(発行日 2026年7月15日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

税理士  坂部 達夫


 最近、「事業を子供にどう継がせるのか」という相談が散見されます。親族内承継の並走期間において、最も難しいのは技術や税務ではなく、親子間の『リスペクトの維持』です。近親者ゆえの甘えが引き金となり、築き上げた信頼が瓦解するケースを、私は多く見てきました。瓦解を防ぐために、親(先代)は『任せたら口を出さない忍耐』を、子(後継者)は『先人の功績への敬意を形にする配慮』を、互いに強く意識しなければなりません。感情論に逃げず、お互いの役割の境界線をプロとして尊重し合うこと。この伴走期の作法こそが、強い事業を次世代へ存続させる真の土台となります。


 

今月のトピックス

相続登記・住所等変更登記の義務化

上野御徒町司法書士事務所  司法書士 阿部 麻子  


1.登記制度改正の経緯

 東日本大震災が発生してから15年。復興の現場では、登記簿を見ても所有者がすぐにわからない土地や、所有者は分かっても所在が不明で連絡が取れない土地が存在していて、このような土地の所有者の探索に多大な時間と費用がかかり、高台移転・防波堤・道路整備などの復旧復興事業の妨げになっている深刻な状況でした。そこで、震災の教訓を踏まえ、国は「所有者不明土地をこれ以上増やさない」ため登記制度を大きく改正いたしました。

2.所有者不明土地問題の対応

 そのため具体的には、①相続未処理で所有者不明問題には、相続登記の義務化、②住所等未登記で連絡不能問題には、住所等変更登記の義務化、③管理不能な土地の放置問題には、相続土地国庫帰属制度の創設で対応し、これまで、「任意」だった手続きが「義務化」へと転換されました。つまり、これまでは「できればやってください」だったものが、これからは「かならずやってください」という扱いになりました。

3.相続登記の義務化について

 相続が発生してもそれに伴って相続登記がされない原因として、①相続登記の申請が義務とされておらず、かつ、その申請をしなくても相続人が不利益を被ることが少ないこと、②相続をした土地の価値が乏しく、売却も困難である場合には、費用や手間をかけてまで登記申請をするインセンティブが働きにくいとの声がありました。そこで、改正法では、相続により不動産の所有権を取得した相続人に対し、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けるとともに、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円の過料に処することとしました。

4.住所等変更登記の義務化について

 所有権の登記名義人が住所等を変更してもその旨の登記がされない原因として、①住所等の変更登記は任意としており、かつ、変更しなくとも大きな不利益がないこと、②転居等の度にその所有する不動産についてそれぞれ変更登記をするのは負担であることが指摘されていました。改正法では、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、その変更があった日から2年以内にその変更登記の申請を義務付けるとともに、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、5万円以内の過料に処することとしています。

5.相続人申告登記について

 いままでの登記制度では、相続人が多数いて、そのなかには認知症の人や行方不明の人がいたりと、「遺産分割協議」ができない場合は、とりあえず法定相続分での相続登記を行い、遺産分割協議が成立後に改めて相続登記を行うことになっていました。今回の改正法では、相続登記の義務化に伴い、その義務を簡易に履行できるようにとの観点から、「相続人申告登記」が設けられました。この制度は、①所有権の登記名義人について相続が開始した旨、②自らが相続人である旨を、期間内に登記官に申し出ると、登記官が、所要の審査のうえ、申出をした相続人の氏名及び住所等を職権で、付記登記をしてくれます。その結果、相続登記の申請義務を履行したものとみなされて、過料を支払わなくてすみます。この制度は、3年以内の相続登記が間に合わなかったときの「安全策」とはなりますが、あくまでも「つなぎ」です。いずれにしましても、大切な財産を守るためにも早めの相続登記がなによりの安心につながります。

5.おわりに

 2024年4月1日から相続登記の義務化、2026年4月1日から住所等変更登記が義務化されたことにより、所有者不明土地の発生を防ぎ、将来のトラブルを未然に避けることが期待できます。



私のオススメ      「 COMMON BEAT 」

 10年程連絡を取っていなかった友人から「ミュージカルに出演するから見に来ない?」と連絡がありました。友人の近況確認と元気な姿が見られればくらいの気持ちで観劇しましたが、全員プロの役者かと思うほどしっかりしたエンターテインメントでした。
 多様性への理解や平和の尊さがテーマですが、カラフルな衣装や迫力のある歌とダンスで、難しいことを抜きにしても心地いい高揚感を感じました。
 メンバーと演出を変えながら公演が続いており、次回の東京公演は9月中旬です。まずはカジュアルに足を運べるミュージカルとして楽しんでみてはいかがでしょう。

MUSICAL 「A COMMON BEAT」 – NPO法人コモンビート

 

あとがき
 父が亡くなって4年。父の墓が我が家からほど近いところに建てられたため、気が向くと掃除をしに出向いている。昨年末のある日、父の墓前で熱心に尺八を吹く男性とそれを見守る女性の姿があった。本職より力を入れていた民謡界のお仲間だろう・・いい人生だったんじゃないか、お父さん。(喜志) 


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