所長コラム

第11回 支えあう「スクラム家族」に寄せて(平成20年11月27日(木)日経新聞夕刊) 2008.12.15 

「パラサイトシングル」から経済的に支えあう「スクラム家族」へという内容の記事が目に付いた。
子供の親との同居の動機が、「親の援助を受けてリッチな独身生活を楽しむ」ということから
「自立したいが収入面からあきらめて」というものに変容しつつあるそうな。

さらには、昭和初期のような大家族主義に回帰かというコメントのおまけまでついている。
だが、古きよき時代の世帯単位の世の中への回帰の前兆かというと、欧米型の個人中心の仕組み・考え方は
容易には(古きよき時代へ)戻ることを許さない。家長を中心として、その家族の端々まで
目を行き届かせるという仕 組みは、お金がないから寄り添っている状態とは似て非なるものだ。
それぞれ依存しあっている状態、とりわけ親の高齢化という現実は、「スクラム家族」の崩壊の芽を内包する。
支えあうということは、それぞれ自分の役割を自覚し、自らの経済性を含む生活能力を高め、
そのうえでお互いの不足をおぎなうものでなければ機能しない。そうでなければ、単なる依存にすぎない。
危なすぎるのである。

坂部 達夫
 

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