会長コラムCOLUMN

第20回 「会計」の本質 2010.06.11

国内の会計基準を国際会計基準へ近づける努力が続けられています。

とりわけ、世界各国で営業展開する国際企業は国によって異ならない財務情報を、
投資家や債権者に対し提供する必要に迫られて準備に追われています。


6月8日、日本経済新聞の17面に「会計」について印象的な記事が掲載されていたので紹介します
(編集委員の小平龍四郎氏のコラム)。


日本企業の先陣を切って2010年3月期から国際会計基準(IFRS)での決算を任意で始めたのは
「日本電波工業」であった。その竹内敏晃会長は次のような思いを抱いていたそうです。
「技術の世界では1グラムの重さは1グラムとしか表現できない。
なのになぜ、企業会計では1億円を1億円と言い切れないのか。」


会計基準は商慣習から出たものであって、利害関係者によってその意味することは異なることがあります。
ましてや、会計情報を提供する会社サイドからすると、厳しい経済環境のなかで少しでも会社の状況を
よく見せたい心情は容易に理解できるところです。

ただ、竹内氏は次のように結んでいます。
「会計は企業のこうありたいという姿を表現する道具ではなく、損を損と認め、自らを強くする手段に他ならない。」

いま、「中小企業の会計に関する指針」の改訂作業が行われています。
これは、中小企業の経理業務に過大な負担をかけないことを前提に策定されたものです。

しかし、竹内氏のコメントは企業規模を問わない会計の本質であり、
企業のありのままの姿を開示することの意味を考えさせられます。

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