会長コラムCOLUMN
第29回 「お金との正しい付き合い方」 2012.04.06
お金は人の動きにつき従う。お金の最大の価値は、活動成果として得た自らの帰属分を
他人の成果物の獲得のために使用できることにあります。いわゆる交換価値が最大の効用です。
ここで考える必要があります。稼ぐのが先か、使うのが先かということです。
経営を例にとって説明しましょう。
まず、成果物を獲得するには、仕入れなどの原価、つまりコストが必要となります。
そして仕入れた商品を、必要とされる相手先へ提供することにより、収益 が獲得できますが、
収益と原価の差額は、自由に使うことはできません。販売したり管理したりする費用がかかるし、
不測の事態を想定して損失を見込んでおく必要があるからです。
そのように考えてみると、お金を機能させ、働かせようと思ったら、その目的(成果)のために、
まず使うことが必要であることがわかります。これは、会社のように利益を追求しない個人でも同じことです
(個人の場合には、使うことによる見返りは満足であることが一般的です。)
さらに使うことの最大の目的は、支払った先を慮り、相手を活かすことにあります。
それにより、会社であれば利益が、個人であれば満足が生まれます。徒ら な怖れや不安のために留めおき、
そのものに固執すると、「人」本来の目的を喪失せしめる負の機能が、お金にはあるのです。
言ってみれば、使い方の工夫ひとつでそのお金は好ましい成果を生むのです。
第一、使わずに持っているだけでは自分のものになったと言えないでしょう。