会長コラムCOLUMN
第39回 「努 力」 2015.11.04
日経新聞に「日経マガジンスタイル」という冊子が折り込まれてきます。
11月号には国境を乗り越えて活躍している人々を取材している。今回は、その方々の「努力」についてちょっとした共通項をみつけたのでご報告をします。
最初は株式会社ひらまつの社長兼「レストランひらまつ」総料理長である、平松博利さん。
各県にオーベルジェ(宿泊施設を備えたレストラン)を開設。フランスに赴いては日本でのイベントに招く準備をする。1982年24坪の小さな店を開き、現在は東証一部上場銘柄で年商は120億円。
そんな彼がこんなコメントを残しています。「私たちの仕事は単なる食の提供ではなく、一皿を通じて心の豊かさを提供するもの」、「うちはベンチャーです。自分は何者か。何ができるのか。何をやるべきなのか。その答えが僕の進むべき道であり、会社の進む道です。創業者と会社は一体なんです。」
その前提に陶芸家・河井寛次郎の、「この世は自分の探しに来たところ」そして「さあ、仕事をしよう」つまり、努力は自分探しということ。
次にオペラ歌手の森麻季さん。
イタリア・ドイツ留学で「語学は必至に勉強した。日常生活の語学力だけでは足りなくて、交渉力が大事なんです。交渉ができないと電話も引けないし、家も借りられない、銀行口座も開けない。バイタリティが求められる。」
極めつけはこんな言葉で締めくくられます。「水面下で努力することを惜しまない国民性は日本人の強みではないでしょうか。」
最後は、プロゴルファーの深堀圭一郎さん。
ツアープロで23年間第一線で活躍している。「道具の進化で、それにあった打ち方を研究したり、体のコンディションに気を使い続けた。
そしてこんな発言をしている。「ゴルフほど不公平なスポーツはありません。スタート時間による天候の変更、ボールの落ちどころによってライが変わる。それを受け入れてやれるには精神的な余裕というか、こころの準備が必要なのです。」極めつけはこの言葉です。
「努力しても報われると限らず、努力しても報われないのがゴルフ」