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(発行日 2009年4月3日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 日本人の価値観の一つに儚さの中に今を精一杯楽しむというものがあります。戦後の復興の記録をみると終戦後、繁華街でまたたくまに闇市が拡がり、あっという間にバラックが立ち並んで町ができてしまいます。あちこちの井戸端で話に花がさくという写真も残っています。経済的な豊かさは今と比べるべくもありませんが、逞しさははるかに勝っています。何もない状態から、幾度となく復興してきた先祖の遺伝子を信じて一歩を踏み出しましょうか。もうじき桜も満開です。


今月のトピックス

労働者派遣の2009年問題を考える

中小企業診断士 伊藤 恒人


1.労働者派遣の2009年問題とは

 製造業では今、「2009年問題」が話題になっています。2004年3月、労働者派遣法の改正によって、製造業への「派遣」が解禁され、その後、2006年にいわゆる「偽装請負」問題が発覚しました。偽装請負とは、実態は派遣労働(派遣先企業が指揮命令する労働)であるのに、契約上は業務請負(受託した企業が自社の労働者に指揮命令する業務)の形を取る違法な雇用形態のことです。
 
 そこで製造業者の多くは、問題発覚を機に「請負から派遣」への労働力のシフトを図り、2006年には製造業の派遣労働者は前年度の3倍以上にも膨れ上がったといわれています。当時は、雇用期間は1年に制限されていましたが、2007年3月以降は3年まで延長されたため、2006年に大量に出現した製造業の派遣労働者の契約期間が2009年に一斉に終了し、企業側は「派遣」契約を一旦打ち切るか、直接雇用に切り替える義務を負うことになります。これが、製造業労働者派遣の2009年問題です。

2.行政の考え方

この問題に対して、厚生労働省は以下のように企業側に要請をしています。

  ・労働者派遣は、臨時的・一時的な労働力の需給調整の仕組みである
  ・派遣可能期間満了後も当該業務の処理が必要である場合は、基本的には指揮命令が必要な場合は直接雇用に、指揮命令が必要でない場合は請負にすべき
  ・直接雇用又は請負は、いわゆるクーリング期間(※)3ヶ月経過後再度の労働者派遣の受け入れを予定することなく、適切に行われるべきもの

 (※)クーリング期間とは
 同一業務の派遣期間が3年を超える場合、企業に直接雇用の義務が生じるが、派遣可能期間終了後、再度同一業務について、労働者派遣を受けたい場合、3ヶ月間その業務の派遣を受け入れなければ、再度、派遣を受け入れることができる、というものです。派遣を受け入れない期間をクーリング期間といって、その間だけ、アルバイトなどの直接雇用に切り替えて対応している場合もあります。


  

3.労働者派遣の経緯

 1986年に労働者派遣法が施行されましたが、当時は労働者保護の観点から、専門性が高い13業務に限定して派遣労働が解禁されました。その後、対象業務が拡大され、1996年には26業務に、さらに1999年には、認められる業務を列挙する方式(ポジティブリスト)から、禁止する業務を列挙する方式(ネガティブリスト)に変わって、大きく規制緩和が行われました。
 
 その結果、港湾運送、建設、警備、医療、製造を除いて、原則どの業務でも派遣労働が自由になりました。そして、2006年に製造業への派遣が解禁され、2007年には派遣期間が3年に延長されることになりました。

 このように規制緩和が進んできたわけですが、2007年に、日雇い派遣業者大手の違法な派遣・労務管理が発覚、2008年には世界的不況による製造業大手の派遣切りの問題が発生し、日雇い労働派遣、製造業派遣などの規制強化が検討されています。


4.派遣規制強化の動きに対して

 派遣に関する法制の経緯を見てわかるように、20年かけて規制緩和をしています。その背景には、市場経済のグローバル化に伴う内外競争の激化および商品の多品種少量化・短サイクル化によって、調整の容易な労働力に対する企業側のニーズが大きくなってきたという経営環境変化があり、また、正社員における法定労働時間の短縮、有給休暇の増加、社会保険料の負担増、雇用に関するトラブル増など雇用の負担とリスクが増大してきたことがあります。

 一方、労働者側にとっても、多様な雇用形態があることにより選択肢が増え、雇用が拡大され、実際、昨年の秋までは、失業率も4%台に低下していました。

 このような経済社会情勢の背景の中で、労働者派遣は増えてきたわけで、単にワーキングプアとか派遣切りなどの表面的な社会問題だけを捉えて、規制強化に走ることは、見方が狭いといわざるをえません。

 行政側は「派遣労働は臨時的・一時的な働き方で、正規化を進めることが望ましい」と主張しますが、規制強化したからといって、企業が簡単に派遣社員を正社員にシフトできるような体力がつくわけではありません。

 派遣労働は、今や日本社会に深く浸透しており、恩恵を受けている企業も労働者も数多く存在しています。折角多様化した雇用形態を一律に正規化を促して間口を狭くするより、正当な働き方と評価した上で、格差・処遇の問題、セーフティネットの問題を検討すべきと考えます。

私の部屋    「 雀百まで・・・ 」

 いらないものは捨て、余計なものを持たずに暮らす。私にとって、これ程難しいことはありません。今使わないものを持っているのは無駄だと言われても、今捨ててしまって、後からまたわざわざ店に行って、時間をかけて選んで、そして買うということの方が無駄のような気がしてしまいます。しまいこんでおいて、後日ひっぱり出してきて「とっておいて良かった!」と思った時の喜びは格別です。洋服や本を買う時も、「いつか使うだろう」と思った時に大量に買い、それ以外の時は数か月ほとんど買わなかった・・・ということも珍しくありません。
会計の勉強をしていると、自分のやっていることが不経済で不可解に見えてきますが、変えようもない習慣です。

あとがき
 くしゃみ、鼻水、鼻づまり・・・花粉症の症状が出始めてからもう数年になりますが、今年の症状は例年よりひどかったように思います。皆様はいかがでしょうか?
 花粉症の皆さん!あと少しの辛抱ですね。

(編集者:小高・高田・坂本・菅野)

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