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(発行日 2009年10月6日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
故黒沢明監督の脚本からなる「雨あがる」という映画があります。寺尾聡主演、宮崎美子がその妻を演じる時代劇です。剣の達人である主人公は、腕はたつがなかなか士官できず、浪々の旅を続けています。理由は、「やさしい」からです。御前試合で打倒した、相手に対して「大丈夫ですか。」と声をかけてしまう。相手はプライドを傷つけられ「いらぬお世話、ほうっておいてくれ。」となってしまうのです。立ち居振る舞いは本当に難しい。
この映画を見てレイモンド・チャンドラーが書いた「プレイバック」を思い出します。主人公のフィリップ・マーローは呟きます。「男はタフでなければ生きられない。やさしくなければ生きる資格がない。」やさしさと強さのバランスのとり方は永遠の課題なのかもしれません。でも、私は強さは努力で手に入れられますが、やさしさはもって生れたもののような気がします。みんな、持っているといえば持っているのではないでしょうか。
今月のトピックス
農業分野における政策と税制(2) |
税理士 坂部 達夫 |
1.農業の可能性 農業の可能性については前回触れました。今回、詳細は触れませんが、難しい話はさておいて、地方経済の活性化、食糧確保の問題、環境保全の問題、景観(観光)の問題など農業には多くの問題が絡みます。人は、山や川や田んぼを直接的に見なくても生活に差しさわりがあるわけではありませんが、もしそれが存在しなかったり、荒れ果てたりしていたら切ないものがあります。自然とともにある人間は環境の影響を大きく受けます。 食料もしかり。識者によると今の病気の大半は、食からきているそうです。日本独自の食文化が和食という形で脚光を浴びていますが、その食材は本当に日本のものなのか、体に害がないものなのか、確認の術がないのが現状です。農業に関心のある人は多いと思います。地産地消で農家の顔が見える農産物を販売するスーパーも増えています。農業政策がより身近なものとして議論されるよう願うばかりです。中小企業の会計を検討するにあたり、中小企業の実態について中小企業庁が調査分析をしています。本当かな?と思う部分はありますがご紹介します。中小企業が該当する属性は以下のとおりです。
2.WTO農業交渉 <75%の「上限関税」が実施された場合、日本の米の生産量は300万トンを下回るほどに落ち込むと考えられます。(現状は889万トン)。600万トンを超える膨大な米輸入が生じ、米の自給率が30%まで極端に低下し、米価は1俵5千円(現状は1万6千円位)程度になってしまうという試算があります。> (注1)
さて、この農業の活性化に税制はどのように貢献し、またどのような施策を打ちだすべきなのでしょう。直接農業者に税制上の特典を与える制度は、農地保全を目的とした相続税の納税猶予などがありますが、農林水産業全体を俯瞰すると、その地域の森林、水源などの維持・保全に対して自治体の何らかのアクションが必要と思われます。 <参考文献> 「税研」Vol.24-No4(財)日本税務研究センター (注1) 鈴木宣弘著「食料の海外依存と環境負荷と循環農業」筑摩書房 |
私の部屋 「 こ ち 亀 」
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の略称ですが、1976年から週刊「少年ジャンプ」に連載されたギャグマンガで、現在も継続中という記録的な長寿マンガです。連載開始から20年後の1996年にテレビアニメとして放映され、一層人気になりました。今年は初めてテレビドラマ化され、また話題になっています。 33年前の連載開始当時に、「こち亀」が面白くて少年ジャンプを楽しみにしていたことを思い出します。当時、主人公の警察官・両津勘吉のめちゃくちゃなキャラクタとその行動が笑えて、遊びといたずらの発想が天才的だと感心していました。初期のころと比べると、現在の「こち亀」は下町人情が目立ってきて、随分丸くなってきたなという印象が強いです。私としては、やや物足りないと思っているのですが、これも時代の流れかなと感じる次第です。 |
あとがき
東京スカイツリーをご存知でしょうか。東京都墨田区に造られている新しい電波塔で、その現場は事務所から歩いて10分ほどの距離にあります。竣工予定は2011年12月、高さは約610メートルになるそうです。
その建設中のタワーが、事務所の会議室から見えることに最近気がつきました。そのとき社内にいた会長を始め職員は「おおあれが!」とテンション急上昇!でした。これからニョキニョキ成長していく様子を、楽しみに観察していこうと思っています。