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(発行日 2010年7月7日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫

「推敲」(すいこう)ということについて考えてみたいと思います。世の中で人が事をなすとき、あるいは事物を残す行為をするときに共通する「状況」があります。それは「徹底」です。そして、その「徹底」の心的態度として見られるのは「こころを込める。」です。例えば作家や作曲家はこの世にすばらしい作品を生み出します。その作家らの原稿は、赤や青のペンで手が入れられていて、それはそれは美しいそうです。まさに珠玉の作品とはこのようなことを言うのでしょう。

 
一般的にいわれている仕事もそうです。相手が求めているものに対して、こちらができる限りのことを尽くす。徹底する。さくさくと行う仕事の評価はいかがなものでしょう。心を込めて考え抜く。やり抜く。これは、芸術分野で名をなす人がおこなう「推敲」という行為そのものです。

 

 

今月のトピックス

労働基準法 改正

社会保険労務士  坂本 幸恵

T.はじめに

 平成22年4月1日から労働基準法の一部が改正・施行されているのをご存知でしょうか。 

 子育て世代の男性を中心に、長時間にわたり労働する労働者の割合が高い水準で推移していること等に対応し、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することを目的として改正されました。



U.改正の概要

1.限度時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ(努力義務)

 労働基準法で、労働時間は1週40時間1日8時間までと定められています。労使で協定(36協定)を結んだ場合にはこれを超えて働かせることが可能ですが、これには一定の限度が定められています(例:1か月45時間、1年間360時間)。さらに「特別な事情」がある場合には、「特別条項付き36協定」を結ぶことにより、この限度時間を超えて働かせることが可能となります。今回の改正は、この限度時間を超えた場合の割増賃金率2割5分を超える率とするよう努めなければならないというものです。



2.法定割増賃金率の引き上げ(中小企業は適用猶予)

 割増賃金による使用者の経済的負担を加重することによって、特に長い時間外労働を抑制させることを目的としています。

1か月60時間を超える法定時間外労働に対する割増賃金率が、25%以上から50%以上に引き上げられました。

 よって、60時間超過の労働時間が、深夜業(原則として22時〜午前5時)に及ぶ場合は、時間外割増賃金率50%以上+深夜割増賃金率25%以上=75%以上の率で計算した割増賃金を支払うことになります。



3.代替休暇制度の創設(中小企業は適用猶予)

 2.の引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)を設けることができます。



2および3の内容は中小企業については当分の間適用が猶予されます。

また、中小企業に該当するか否かは、事業場単位ではなく企業単位で判断され、「資本金の額又は出資の総額」と「常時使用する労働者の数」によります。

※猶予される中小企業の範囲

 業種  資本金額または出資総額 または      常時使用労働者数
 小売業  5000万円以下  50人以下
 サービス業  5000万円以下  100人以下
 卸売業  1億円以下  100人以下
 上記以外の業種  3億円以下  300人以下


4.時間単位年休制度

 労使協定を締結することにより、年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることができるようになりました。


V.おわりに

今回の改正の目的は、子育て世代の男性労働者の長時間労働を抑制することで、平たく言ってしまえば、早く家に帰り子育てを手伝いなさいよという趣旨だと言えそうです。一方で、育児を積極的に楽しむ男性、いわゆる「イクメン」の存在も最近注目されているようです。「イクメン」からは、「あえてお役所から言われなくても・・・」という声が聞こえてきそうですね。一昔前までは、父親は外で働き母親が家事や育児をするというスタイルが一般的だったことから考えると、働くお母さんが増えていることと同時に、男性の意識もかなり変化しているのだなと感じます。

 それはさておき、今回の改正の大部分は中小企業の適用が猶予されるので、大方の企業では急ぎの対策は必要ないと言えます。ですが、いずれ中小企業にも適用される流れにありますので、この機会に時間外労働について考えてみてはいかがでしょうか。

 

私の部屋    「 視 力 検 査 」

 

 私の数少ない(唯一の?)自慢として、この仕事をしていながら視力が良い、という事があったのですが、この度左目の視力が0.9になってしまいました。ちなみに今までは疑惑の両目1.5でした。疑惑の所以は、毎年健診で視力検査を行う病院では、視力検査に使用されるシートが毎回同じと思われ、一番小さいマークは何となくしか見えていなかったのですが、そのマークの向きが「下」である事を知っているため、つい「下」と言ってしまい、その結果視力1.5と診断されていた事によります。

しかし、今回は3番目に小さいマークの向きが見えず、そんなところまでは覚えていなかったので、0.9となってしまいました。悔しいので来年の検査時にできる限り記憶し、再来年には1.5への返り咲きを狙います。

 

あとがき

以前も話題にしたことのある「東京スカイツリー」ですが、ずいぶん成長してきました。現在、第一展望台の建設中とのことで、高さこそ変化はありませんが(本日現在398m)、展望台は、シュッと伸びる白い幹の部分に青いシャンプーハットをかぶせたように見えます。本所税務署方面におつかいに行く時は、建設現場の近くなので行ってみてくるのですが(決してサボっているわけではありません)、当事務所ではほとんどが電子申告なので、おつかいの機会が少ないのが残念なのです。(坂本) 

(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)

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