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(発行日 2010年12月9日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫


「原因と結果の法則」という本があります。著者はジェームズ・アレンです。
 現象世界でも心の世界においても、その顕われてくる結果には常に原因がある。従って、いい種をまけばいい結果が返ってくるという啓蒙書です。
 実は、このことを2500年前にお釈迦様は喝破されており、さらにわかりやすい?理論として展開されています。

 「縁」というものが介在すること。さらに、過去・現在・未来にわたって影響を及ぼしているということです。現在の努力が未来にわたって花開くと考えると、六十の手習いも天才児出現もわかるような気がします。若い人も、中堅も、お年寄りも明るく努力して未来世に備える。こんな発想が江戸時代辺りにはあったのでしょうね。

 

 

今月のトピックス

ファミリービジネス・・・日本再生の切り札

佐々木 雅之

1.ファミリービジネスとは

 ファミリービジネスと聞いて皆さんはどのようなイメージを思い描くでしょうか。
直訳すると家族または親族による経営(同族経営又は同族会社)とでもなるのでしょう。
法人税法第2条では同族会社とは、上位三位までの株主による所有株数又は出資金額が50%を超える会社と定義されています。しかし、これから取り上げるファミリービジネスとはこの出資比率にこだわらず、創業家の一族が所有し、何らかの形で経営に参加している企業をいいます。このように枠を広げると、実は中小企業だけでなくトヨタ自動車やサントリーなどの大企業もファミリービジネスの概念の中に入ってくると思います。


2.日本はファミリービジネス大国

日本の企業の90%以上はファミリービジネスと言われ、そのうち創業から200年を超えるファミリービジネスは3,000社以上あり、世界において、人だけでなく企業も長寿であると言えます。
フランスにはエノキアン協会という老舗企業による団体が存在し、その入会資格は創業200年以上で創業者の子孫が経営権を所有し経営状態が良い等の厳しい条件をクリアする必要がありますが、2010年現在、会員40社のうち日本の企業が5社会員となっております。


3.日本のファミリービジネスはなぜ長寿なのか

日本では創業から200年を超すファミリービジネスが3,000社以上あると先に述べましたが、世界の中でなぜ日本が突出しているのでしょう。研究によれば日本の「家」に関する考え方にあるのではないかと言われています。

江戸時代を例にとれば、武士の家督相続では男系の長子に権利がありますが、その男系に問題(早世等)がある場合、「家」を残すために末期養子(まつごようし)を採用することで「家」を残すことにこだわった風土があったからといわれています。このことが血縁にとらわれない柔軟さをもち、優秀な能力を持つ経営者を血縁の中に取り込む役割をしたのです。


4.ファミリービジネスの課題

 ファミリービジネスの重要な課題のひとつに企業の存続があります。
上記3で述べたように長寿のファミリービジネスは存在しているのは事実ですが、一般的にファミリービジネスは、創業者から3代目(約100年)で衰退すると言われています。
これは創業者から2代目、3代目へ企業を引き継ぐ過程で経営者の能力だけでなく、オーナー権をめぐって親族間・非親族間の諸問題も加わってくるからです。だからこそ、この3代目の危機を乗り越えて初めてファミリービジネスは成功していると評価されるのです。


5.ファミリービジネスのこれから

 これまで、企業経営に関する研究は様々行われていますが、その中心は非ファミリービジネスです。しかし、世界の主流はファミリービジネスで占められています。皆さんの取り組んでいるファミリービジネスが100年企業、200年企業を目指すことが日本経済の活性化につながることに疑いをはさむ余地はありません。

我々は、その支援ができるようファミリービジネスを研究し、支援できる体制を今後も模索していきたいと考えています。



参考文献・引用
倉科敏材編著「オーナー企業の経営」中央経済社
武井一喜著「同族経営はなぜ3代でつぶれるのか?」クロスメディア・パブリッシング
エノキアン協会 HP http://www.henokiens.com/index_gb.php

 

私の部屋    「 日 記 」


日記に強い思い入れがあります。でも、1週間と続かない。
それでも、毎年のように正月には書きつづけようという誘惑にかられますが、やはり続かない。
思考が浅いことや根気がないこともありますが、実は自分のことを分かろうとしていないことに、この年になって気づきました。
今年の正月も新品の日記を前に唸るのでしょうね。

 

あとがき

昨年の今頃は、新型インフルエンザの大流行で大変な騒ぎでした。予防接種を受けるのに優先順位が決められ、優先順位の対象となる人の分でも、その予約を取るのにまるで人気歌手のコンサートチケットを取るかの如く電話を掛けまくったのを思い出します。今年はインフルエンザA型、ノロウイルスが流行しているようですので、予防に努めながら健やかに新年を迎えたいものですね。(坂本)

(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)

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