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(発行日 2011年4月7日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
おいしいものを食べたら想定外に高かった。あるいは電車が止まって、タクシーに乗ることを余儀なくされた。こんなときよく使われるフレーズが「取られた」です。「支払った」あるいは「かかった」といえば済むところ、つい「こんなに取られちゃった」と言ったことはありませんか。この心理を探ると、「受けたサービスは確か。でも自分の思いどおりにいかなった分は不満。それでも、あなたは要求するの。」というもののようです。
2つの気持ちが重なった結果の「取られた」。ひとつは、「とにかく自分のものは減らしたくない。」もうひとつは、「自分の思いどおりにならない。くやしい。」です。この思いには、常に後ろ向きな被害者意識が付きまといます。
私も日頃使う言葉ですが、これからは確固たる意志に基づいて「支払う」という言葉を操りたいと思います。
今月のトピックス
税制改正 法人税改正のポイント |
税理士 菊池 常雄
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(おことわり)
この改正内容は、本年3月31日までに税制改正大綱どおりに法案が審議成立した場合を前提としていますが、更新日現在(4/7)、成立・公布されておりません。したがって内容について、施行時期や適用期限等のずれ込み、さらには一部の変更もあり得ます。
また、資本金1億円超の大法人を対象とした改正事項は、紙面の都合で割愛させていただきますのでご了承ください。
1.法人税率の引き下げ
法人税率については、平成23年4月1日以後開始事業年度から現行の30%から25.5%に引き下げられることになります。
2. 中小法人に対する軽減税率の引き下げ
さらに、中小法人(資本金が1億円以下の法人)については、年所得800万円までの金額について、本則の税率22%に対して18%の軽減税率が適用されていますが、この特例が本年3月31日を以って期限切れとなることから、さらに平成26年3月31日まで3年間延長するとともに18%から15%に引き下げられることになります。
3.減価償却制度の改正
この改正は課税ベースの拡大による増税要因となるわけですが、平成23年4月1日以後取得する減価償却資産の定率法による償却率を変更するというものです。
定率法の償却率は、現行では平成19年度の改正の際に定額法の償却率(1÷耐用年数)の2.5倍(250%定率法)とされていたのですが、これを定額法の償却率の2倍(200%定率法)に改正しようとするものです。
たとえば、耐用年数5年、取得価額1000万円の資産を購入した場合、現行の定率法の償却率では0.2×2.5=0.5で500万円減価償却費を計上することができたのですが、改正後の償却率は0.2×2=0.4で400万円しか計上することができず、この差額分だけ課税ベースが拡大し増税となることになります。
4.青色欠損金の繰り越し控除期限の延長
青色申告法人の欠損金は現行では7年間繰り越しができることとされていますが、これを2年間延長し9年間とされることになり、平成20年4月1日以後終了した事業年度で生じた欠損金額から延長の対象となります。
5.棚卸資産の評価方法のうち「切り放し低価法」の廃止
低価法というのは、取得価額と時価のいずれか低い方の金額で評価する方法で、「切り放し低価法」は時価で評価して評価損を計上した場合には、その時価を以て取得価額とみなし、翌期には、また時価と比較して低い方の価額で評価することができるというものです。
この評価方法が平成23年4月1日以降開始する事業年度から廃止されることになるため、今後は時価が取得価額を上回ることとなる場合は値上がり益を計上しなければならないという「洗替え低価法」のみということになります。
6. 一般寄付金の損金算入限度額の引き下げ
一般寄付金の損金算入限度額が下記の通りとなり、改正後は改正前と比較して損金に算入される限度額が半減されることになります。
[現 行]
(資本金等の額×0.25%+所得金額×2.5%)×2分の1
[改正後]
(資本金等の額×0.25%+所得金額×2.5%)×4分の1
この改正も平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用されることになります。
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私の部屋 「 負けずに頑張っていきましょう 」
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今回の東日本大震災で多くの方が大変な思いをされたかと思います。私の家ではお湯を深夜電力で沸かすのですが、そのお湯系統の配管が壊れてしまい、2週間程自宅のお風呂に入れない状況でした。途中、水のお風呂に入るなど無茶もしましたが、最近ようやく復旧し、温かいお風呂に入れることができました。やはり一日の疲れがとれる気がします。
私の被害というのはあまりに小さいことですが、あたり前の生活が送れることの幸せを感じました。今回の震災に対して、節電や募金などでしか支援は出来ませんが、一日も早い復興を願っています。
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あとがき
3月18日、現在建設中の東京スカイツリーがついに高さ634メートルに達したそうです。近くで“成長”を見てきた者にとっては、これ以上大きくならないのかと思うとさみしい感じがしています。(坂本)
(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)