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(発行日 2011年5月10日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 新緑のまぶしい季節になりました。緑は心を癒す効果があるようで野山はハイカーで賑わっています。
 日本人は古来から木々の緑をさまざまに表現してきました。浅緑、浅葱、萌黄、萌葱などなど。輝く新緑が目に浮かぶようです。この感性が日本人たる特徴であり、権利社会と言われる欧米から移入された黒か白あるいはイエスかノーかの発想と決定的に異なるところです。

 木々の緑の変化を受け入れ楽しんだ日本人の感性は、遺伝子に受け継がれています。「自分のことばかりではなく、もっと周りをよく見て。」と教えられているような気がします。


 

今月のトピックス

震災に伴う中小企業の資金繰り支援施策の紹介

中小企業診断士 伊藤 恒人

 先月26日に「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」が閣議決定され、5月2日に公布・施行されました。
この法律および平成23年度第1次補正予算の成立によって、震災で直接又は間接的に被害を受けた中小企業者を対象として、既存の制度に加えて内容を拡充した資金繰り支援策が創設されています。その中で、新設・拡充された主な制度の概要を紹介します。


1.東日本大震災復興特別貸付(新設)


 震災により直接または間接被害を受けた中小企業者等を対象とした新たな長期・低利の融資制度です。

(1)対象者

a.直接被害者
地震・津波等により直接被害を受けた方、原発事故に係る警戒区域等の方
b.間接被害者
直接被害者(大企業可)との取引依存度が2割以上の中小企業者等で、
借入申込後3ヶ月の売上額が前年同期比15%以上減少の見込み、または
借入申込直前2ヶ月の売上額が前年同期比10%以上減少した方
c.その他
震災の影響により、業況が悪化している方(*1)

(2)貸付限度額・貸付利率

日本政策金融公庫(中小事業)と商工中金限度額:7.2億円、利率:1.75%
日本政策金融公庫(国民事業)限度額:4800万円、利率:2.25%

(3)貸付期間・据置期間

設備資金15年以内、運転資金8年以内(据置期間 最大3年)
さらに、上記対象者の内、直接被害者と間接被害者には、より有利な別枠
の融資が設定されています。

(*1)具体的要件は記載されてないので、審査で判断されると思われます。


2.東日本大震災復興緊急保証(新設)

金融機関から、事業の再建、経営の安定に必要な資金の借入を行う場合に、信用保証協会が保証することで、借りやすくする制度です。

(1)対象者
a.特定被災区域内の方(*2)
・震災の影響により業況が悪化している方
・原発事故に係る警戒区域等の方
b.特定被災区域外の方
・特定被災区域内の事業者と取引関係があり、かつ震災の影響により業況が
悪化している方
・震災に起因した風評被害による契約の解除等の影響で急激に業況が
悪化している方
上記の各対象者は市区町村等の認定が必要です。

(2)保証限度額
一般保証、セーフティネット保証、災害関係保証とは別枠で、
無担保:8000万円、最大で2.8億円

(3)保証利率、保証人
保証利率:0.8%以下、保証人:代表者のみ

(*2)岩手県、宮城県、福島県の全域
青森県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県、長野県の一部の市町村


3.マル経融資(拡充)

マル経融資は、商工会・商工会議所などの推薦によって、無担保・無保証人で小規模事業者が日本生活金融公庫から融資を受けられる制度で、今回の震災に対応して拡充されました。

(1)対象者
直接または間接的に被害を受け、かつ商工会・商工会議所等が策定する「小規模事業者再建支援方針」に沿って事業を行うことが見込まれる方

(2)貸付限度額
通常の枠(限度額1500万円)と別枠で1000万円

(3)貸付金利
日本政策金融公庫の基準金利からマイナス1.2%

(4)貸付期間
設備資金:10年以内(据置期間1年以内)、運転資金:7年以内(据置期間2年以内)


その他、資金繰り支援施策として、既往債務の負担軽減支援、小規模企業共済・倒産防止共済による貸付制度の拡充などがあります。


詳細は、中小企業庁の下記サイトをご参照ください。
http://www.chusho.meti.go.jp/earthquake2011/index.html

 

私の部屋    「 小さな幸せ 」

 私は、通勤にバスを利用しています。なかなか時刻表通りにはバスが来ないため、毎朝10分程度バス待ちをしています。そんな時に知り合った、近所でもなければ顔も見たこともなかった小学2年生がいます。毎朝バス停にいる私に「おはようございます!」と元気に笑顔で挨拶をしてくれるので、自然とこちらも笑顔に。信号待ちのバスを追いかけてきて手を振ってくれたこともありました。

たまに街で見かける親子のようなやりとりに、勝手に毎朝気持ちよく出勤させてもらっています。少年の純粋な笑顔、私はどこで無くしてきてしまったのか・・・。

 

あとがき

今月、山形に住む学生時代の友人に会いに行くことにしました。お互い仕事と家庭をもってからは、会う機会が減ってしまっていたのですが、この度の震災で「いつ何があるかわからない。いつでも会えると思っていたけど今のうちに会いに行こう!」と思った次第です。日々の慌ただしさを言い訳に先延ばしにしてきたことも、一つひとつ進めていこうと感じています。(坂本)

(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)

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