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(発行日 2011年10月6日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫


 昭和30年代前半、父と母は大八車に家財をのせ、沼津市の国道一号線沿いで魚屋の開店準備を始めました。朝から晩まで働く両親。小学校から帰っても遊んでもらった記憶はありません。もちろん楽しいことはいっぱいありました。そんな私の仕事は、魚を入れるトロ箱を壊した薪でお風呂を焚くことと、父親の晩酌のビール2本を近所の酒屋に買いに行くことでした。
 
 あるとき、ビール1本を店のシャッターの前で落として割ってしまった。父親が怖くて中に入れません。10分が経ち、20分も過ぎた頃、シャッターがそろそろ開き、中から明かりが漏れ母親が顔を出します。外からは輪郭しか見えません。そっと肩を抱いて迎え入れてくれました。
 
 そんな母が5月、鬼籍に入りました。母が私を選んだのか、私が母を選んだのかわかりません。ただ、シャッターから漏れた明かりが暖かった記憶だけが鮮明に残っています。

 

今月のトピックス

共感した本
「書くことが思いつかない人のための文章教室」   (著者:近藤 勝重)

税理士  坂部 達夫

 「表現する」こと、具体的には話をする、文章を書く、絵を描く、音楽を作る(奏でる)などです。人に見せない絵を描く、あるいは聞かせない曲を作るなどの自己完結する表現は、そこで自分の想いは霧消しますので深い考察は必要ありません。これが「人」に伝えるということになると話は違ってきます。

伝えるということは楽しいのですが、相手にどこまで伝わっているかということを考えると、難しいし悩ましいことです。そんな想いを日々抱きながらいると、書店のコーナーで表題の本に行きあたりました。「納得」と「共感」がありましたので、一部ですがご紹介します。

 


第1章 記憶を描写してみよう

「いい文章」とはなにか。内容があることとその内容が的確に表現されていることです。さらに、その表現は一人ひとりのパーソナリティによるものであることが重要です。例えば井上靖さんは、憲法を護る「九条の会」で「平和を護る」を苦心して別の表現に置き換えていたそうです。それは、「普通の人々の暮らしが穏やかに続く、少しでもよりよく続く」という表現です。

つぎに「何を書けばいいのか」という問題です。作文の課題が与えられたのに、書くことが思い浮かばない。日記が書けないお母さんが子供に「思うことを書けばいいのよ。」といいます。でも、こどもはうんうん唸って書きあぐねるばかりです。

著者はここで頭をチェンジして、「思う」ことよりも「思い出す」ことに集中すべきだといいます。というのは、「思う」は「僕はこう思う」というように胸の中の一つの判断に過ぎない一方、「思い出す」は、「夏がくれば思い出す」というように、主として記憶にある体験を頭に思い浮かべることです。そして、きっかけを掴めば、それに関わるデータも浮かびやすくなるというのです。

これについてこんな例を引いています。12月の師走について「思うこと」と「思い出すこと」でどちらが作文向きか考えて下さい。例えば「思うこと」は、「さびしい・孤独感・一年の反省・街のあかり」などです。「思い出すこと」は、「暮れも押し迫った祖母の訃報・親戚一同でやる暮れのそば打ち・センター試験に向けての勉強」・・・・どうです。どちらが文章向きでしょうか。


第2章 伝わる文章の秘密

描写力やイメージを喚起する力を高める手立てを紹介しています。描写力を高めるには具体的な描写が大切ですが、その描写の中に「人」と「物」をうまく取り入れるといいと言います。例えばこんなふうに。

テレビドラマ「北の国から」。北海道の富良野を舞台に妻と別れて再出発した黒板五郎(田中邦衛)とふたりの子供、純(吉岡秀隆)、蛍(中島朋子)の物語です。その純が中学を出て東京へ向かうシーン、助手席に乗り込む純に、トラックの運転手(古尾谷雅人)が封筒を手渡し、純に中を見るように促します。

「しまっとけ。金だ、いらんっていうのに親父が置いてった。しまっとけ。」「あ、いやそれは。」「いいから、お前が記念にとっとけ。」「いえ、アノ・・・」「ピン札に泥がついている。お前の親父の手についていた泥だろう。オラは受け取れん。お前の宝にしろ。貴重なピン札だ。一生とっとけ。」純は封筒の中から出てきた一万円札2枚を見つめて涙を流します。泥にまみれた一万円札に、土にまみれて働く父親の姿が見事に重なっています。


 

私の部屋    「 よろしくお願いします! 」

 初めまして。9月1日に入社しました田村恵美(たむらえみ)と申します。

私は身長が169cmあり、ヒールの高い靴を履くと175cm位になってしまいます。前職では小売業の仕事をしており、お客様にはよく「背が高いですね」と声をかけられました。
昔は背が高くて目立つことが嫌だったのですが、最近は170cm以上の女性が増えたのでコンプレックスは薄れ、逆にこれが私の個性だとプラスに思えるようになりました。
今後は周りの先輩方から色々学び、一日も早く皆様のお役に立てるよう頑張ります。どうぞよろしくお願い致します。
 

 

あとがき

9月1日から新入社員が2名入社しました(今月号と11月号の私の部屋に登場です)。入社して1ヶ月頃の私は、仕事はまだまだ訳が分かっておらず、また周りの人間関係にも慣れていなくて、大した仕事もしていないのに毎日ドッと疲れていたことを思い出しました。入社5年目に入りすっかりふてぶてしい社員に成長(?)しましたが、これから年末の繁忙期に向けて、少しでも彼らがスムーズに仕事を進めていけるようサポートしたいと思っています。(坂本  

(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)

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