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(発行日 2012年5月8日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
お茶のひとときは仕事の合間の一区切りです。こんな言葉があります。「一服できんヤツは仕事もできん。仕事のできんヤツは一服ばかりだ。」確かに、一服のお茶は仕事の効率を左右するほどの気分転換に繋がります。
ある禅寺で「禅の奥義」を教授願いたいという客人がありました。「まあ、お茶を召し上がれ。」とお茶を注ぎ始める和尚。湯呑みが一杯になっても急須を傾けます。「和尚、お茶が溢れていますよ。」と慌てる客人に和尚は言います。「茶碗に茶が満たされていると、それ以上には注げないものだな。人の心も同じ。自分の言い分や考えを満たしたままでは、人の意見は受け入れんということじゃ。」
コミュニケーション能力・伝える能力が大事だと言われています。もちろんテクニック的なものも必要ですが、お互いを正しく理解するためには、自分の主張を抑え、相手を受け入れる余裕が大事です。一服のお茶の時間が教えてくれます。「まあ、一服召し上がれ。」 (臨済宗機関誌「花園」5月号より一部引用)
今月のトピックス
平成23年度税制改正 2 |
税理士 菊池 常雄 |
1.法人税に関する改正事項
法人税に関する改正事項のうち、紙面の都合でご紹介できなかった次の事項について、簡単にご紹介させていただきます。これらについては、いずれも平成24年4月1日以後開始事業年度から適用されることとなっています。
(1)欠損金の繰越期間の見直し(法人税法57条関係)
@ 欠損金の繰越期間の延長
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が7年から9年と2年間延長され、平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金から適用されることになります。
資本金が1億円を超える中小法人等以外の法人についての欠損金の繰越控除額は、欠損金控除前の所得金額の8割に制限されることになり、平成24年4月1日以後に開始した事業年度から適用されることになりました。ただし、これは大法人向けのものであり中小法人の場合は制限の対象外とされ、上記の改正により9年以内に生じた欠損金であれば全額が控除されることになります。
(2)貸倒引当金制度の見直し(法人税法52条関係)
これも中小法人には関係ないことになりますが、平成23年度税制改正では、貸倒引当金制度を適用できるのは@中小法人等A銀行、保険会社これらに類する法人B売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権(これを一定の債権といいます)を有する法人に限定されることになりました。
その結果、この改正により適用除外となった大法人については、一定の債権以外の一般の債権等に対する貸倒引当金を、平成24年4月1日から平成27年3月31日までに開始する3年間にわたり現行法による損金算入限度額に対して4分の1づつ段階的に縮小し、その後は廃止といった経過措置が講じられています。
(3)寄付金の損金算入限度額の引き下げ(法人税法37条関係)
普通法人の一般寄付金の損金算入限度額が、次の通り引き下げられました。
(資本金等の額×0.25%+所得金額)×1/4 (改正前1/2) 2.所得税に関する改正事項
(1)給与所得控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額が一律245万円とされました(これは平成25年以降の所得税及び平成26年以後の住民税について適用されます。)
(2)退職所得課税の見直し
その年中の退職手当等のうち、勤続年数5年以下の役員等に対する退職金(特定役員退職手当等といいます)についての2分の1課税は廃止されます(所得税法30条関係、平成25年以後の所得税に適用し、個人住民税は平成25年1月1日以後に支払われるものから適用されます)。
退職所得の課税方法は、退職所得控除額を控除した残額の2分の1に対して課税することとされていますが、上記特定役員退職手当等については2分の1とする措置が廃止されることになります。
なお、勤続期間は役員としての勤続期間により計算しますが、1年未満の端数は1年として勤続年数を計算することとされています(所得税法施行令69条の2@、A)。
所得税に関する改正のうち土地・住宅税制の関係については、次月号で解説いたします。 |
私の部屋 「 東京スカイツリーと錦糸町 」
5月22日に開業する東京スカイツリーの最寄駅は東武伊勢崎線の東京スカイツリー駅で、次に近い駅は押上駅(スカイツリー前)になります。押上駅は東武伊勢崎線の他に東京メトロ半蔵門線、都営浅草線、京成線が乗り入れているので、アクセスとしては近くて便利な駅です。そして、JR線の最寄駅は、当社の最寄駅でもある総武線の錦糸町駅になります。 最寄といってもスカイツリーまでは、1.2Kmほどあります。今、この錦糸町駅から徒歩で、段々近づくスカイツリーを眺めて写真を取りながらウォーキングを楽しむという方が増えています。段々近づくので、いろいろなサイズのスカイツリーを眺めることができ、到着したときにその大きさを実感するわけです。いろいろな場所で「ここからスカイツリーが見えますよ」というのが挨拶のようになっていますが、それが見えると富士山が見えた時のように何となく得したような気持になるのは不思議です。 |
あとがき
毎年小学生の娘と一緒に「名探偵コナン」の映画を見に行っており、今年も先日行ってきました。
今回はサッカーを題材にしたストーリーでしたが、そこで登場していたサッカー選手が「サッカー選手はみんながみんな足が速いわけじゃない。遅くても活躍している選手はたくさんいる。それは状況を把握し、その先を予測して、必要な場所で的確に動くことが出来るからだ。」というようなことを言っていました。子ども向けのアニメ映画ですが、なかなか深いセリフだなと感心しました。(坂本)