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(発行日 2012年9月10日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
降旗康男監督、高倉健主役の映画「あなたへ」。モントリオール世界映画祭でエキュメニカル審査員賞特別賞を受賞した作品です。その映画祭の記者会見で健さん(高倉健さんの愛称)が印象的なことを言っていました。「私は大学を出て、生きるために俳優になりました。降旗監督と出会って、お金を稼ぐということ以外に、大学で教わらなかったことをいろいろ教わってきた。(一部省略)」
主人公は妻の遺骨を故郷の海に納めるという旅程で多くの人と出会います。その人々を介して奥さんへの想いを辿るというストーリー。健さん81歳。年を取ることの素晴らしさ、そして師弟のあり方を想い巡らす記者会見の一言でした。
今月のトピックス
アメリカから見える日本 ネット社会の現実 |
中村 芳子
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昨年の夏に、東京からアメリカのインディアナポリスに拠点を移しました。2人の子どもに、父親の母国アメリカでの生活を体験させたいと思い、数年前から準備してなんとか実行できました。いやはや、大変でした。とはいえ「家族でアメリカに住む」という人生計画を実現できたのは、ライフプランのアドバイスをするFPの面目躍如です。
拠点を移すにあたって腐心したのは、アメリカで日本の仕事を続ける体制を整えることでした。個人のFPコンサルティングは、お客さんの生の声を聞くことからスタートします。お客さんの悩みから、メディアからは得られない世の中の本当が見えてくるのです。パソコンは大の苦手で嫌いなのですが、実現できたのはパソコンのおかげ。遠距離ビジネスについても、インターネット電話で解決できました。アメリカにいながらSkype(スカイプ)で、日本からだけでなく上海やバンコクからの相談も受けています。顔を見ながら話せるのはやっぱりすごいですね。アメリカにいると、今までとは違った点から日本が見えてきます。
日本のビジネスで気になるのはIT分野での出遅れ感が大きいことです。たとえば、アメリカでスマートフォンといえば、アップルのiPhoneかサムスンのギャラクシー。ソニーもパナソニックも、もう少し早くこの分野に進出していれば・・・と悔やまれます。
また、「コンピュータ公用語が英語」というのが、大きなネックになっています。ソーシャルネットワークのFacebookは数年前に、Linkedinは1年前に日本語にも対応するようになりましたが、Pintarestはまだ。英語圏では(欧米だけでなく、インド、シンガポールなどアジアでも)、これらを活用したビジネス、マーケティングがどんどん広がっているから、日本は世界から1歩も2歩も遅れていることに。う〜ん、厳しい。
さらに、アメリカでは高齢者もパソコンやタブレットを使いこなします。80代の人も子どもの頃からタイプライターに親しんでいるから、キーボードを楽々使えます。
パソコン用語(コピー&ペーストとかシャットダウンとか)はもちろん英語だから、すんなり意味がわかりますし、ネットショッピング、ネットオークションは、出かけるのがおっくうな高齢者が積極的に利用しています。
学校でのパソコン教育も進んでいます。小学校の各クラスには数台のコンピュータがあり、図書室やメディアルームにはずらりと(りんごマークの)パソコンが並んでいます。児童ひとりひとりにユーザー名とパスワードが与えられ、調べものをしたり、ゲームをしたり、レポートを書くのに使われています。高校では、宿題やレポートはオンライン提出。成績の発表もオンラインです。
世界はあまりにも小さく、あまりにも緊密になってしまいました(FPの本業では分散投資に代わる投資理論が求められている)。
もう、どんなビジネスも「日本だけ」見ていては成り立たちません。生き残るためには、世界を見ながら自分のマーケットを見る。その中で自分の強みを展開するための知恵と作戦が必要となるでしょう。
中村 芳子 (なかむら よしこ)
ファイナンシャル・プランナー 泣Aルファ アンド
アソシエイツ代表。
10月4日(木)18時より、当事務所にて中村氏のセミナーを開催します。
詳細は後日セミナー案内をお送りしますのでご確認ください。
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あとがき
携帯をスマホに買い換えました!まず驚いたのは、無料で使えるアプリがとても充実していることです。体調管理や家計簿、あらゆる情報の記録・管理ツールなど、無料とは信じられないものばかり。私は幕末の激動の時代が好きなのですが、現代も相当に激動のおもしろい時代なんじゃないかと感じました。(佐藤)
(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)