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(発行日 2015年5月11日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
小林國男という盆栽の第一人者がいます。江戸川区に春華園という盆栽美術館があり、その主催者・館長です。春華園には多くのお弟子さんが通っています。
そして、パル出版社から「親方の教え」という本が出版されており、こんなことが書かれています。春華園のお客さんで東大出身・元農水省の局長まで勤めた人が、小林さんを、「君は知恵ものだ。」と言われた。小林さんはそのことを「その人は、私の生き方がうらやましかったのかもしれない。その人は東大を出て好きでもない官僚をずっとやって偉くなったかもしれないけど、役人を退官して好きなことができる立場になった時に、それまでの長い人生で感性をすり減らしてきたことに気づいたんだろう。」と感性の欠落を知恵の有無と結びつけています。さらに、「感性は人を感動させることをずっと考えることで磨かれる。それは生き方の知恵みたいなもので、どの世界でも必要だ。」と畳み掛けています。この文章を読んで「感性は頭で考えるものではなく、対象との関係を常に考え、行動し続けることによって磨かれる生きる知恵」と捉えました。皆さん、どうお考えになりますか。
今月のトピックス
平成27年度税制改正 1 |
税理士 菊池 常雄 |
平成27年度税制改正のうち、資産税に関係する改正について解説いたします。なお、法人税・所得税に関する改正については、弊所ホームページの「耳より情報」をご覧ください。 1.結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税制度の創設 @金銭の拠出期限は、平成27年4月1日から平成31年3月31日まで。 A受贈者は、20歳以上50歳未満の子または孫。 B非課税限度額、拠出金額は受贈者1人つき1,000万円。ただし、結婚費用関係は300万円が限度です。 C結婚・子育て資金とは、内閣総理大臣が定める次に掲げる費用に充てるための金銭をいうとされています。 イ. 結婚に際して支出する婚礼費用(結婚披露を含む)。住居に要する費用及び引越しに要する費用のうち一定 のもの。 ロ. 妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のもの。 D契約終了の事由 イ、受贈者が50歳に達した場合。 ロ、信託財産等の価額がゼロとなった場合において終了の合意があったとき E契約終了時の残額の取扱い 使い残し金額に対して贈与税を課税。ただし受贈者が死亡した場合は非課税。 F契約期間に贈与者が死亡した場合 その残高については、受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算されることになります。 この残額に対応する相続税額については、孫がその残額を受取る場合であっても相続税額の2割加算(※)の対象となりません。 ※相続税額の2割加算とは 相続人のうち配偶者及び一親等の血族(子)以外の人が相続または遺贈により財産を取得する場合には、原則として相続税額の2割が加算される制度 2.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置法等の見直し 現行(平成26年分)の取扱いでは良質な住宅で1000万円、それ以外の住宅で500万円である非課税限度が引き上げられ、また、その適用期限が平成31年6月30日まで延長されることになりました。平成27年中に契約すれば良質な住宅(※)で1500万円、それ以外で1000万円に一旦引き上げられますが、平成28年1月から9月までの契約では1200万円と700万円に引き下げられ、その後は、消費税率10%に対応して徐々に引き上げられることとされています。 この場合注意を要するのは、この非課税限度額は、平成26年分までは贈与を受けた年を基準として適用されていましたが、今回の改正では住宅用家屋の取得等に係る契約時期によって非課税限度が変わるということです。 (※)「良質な住宅」とは、省エネルギー対策等級4(平成27年4月以降は断熱等性能等級4)又は耐震等級2以上若しくは免震建築物に該当する住宅家屋とされています。 |
私の部屋 「詐欺にご用心」
先日、実家でくつろいでいましたら、突然近所の交番のおまわりさんが訪ねてきました。用向きを聞いてみると、「○○さん(母)の名前と電話番号が、最近押収された詐欺グループのリストに載っていたので、注意喚起に回っています」とのことでした。 不特定の方に対して、対面することなく、電話、FAX、メールを使って行う詐欺のことを「特殊詐欺」というそうなのですが、警視庁のHPによると、昨年度の都内の特殊詐欺被害額は、約80億円にも上り、中でもオレオレ詐欺の手口が一番多いそうです。 オレオレ詐欺の撃退には、合言葉を決めておく・在宅でも留守番電話にしておく・折り返し電話にして確認するなどの方法が紹介されていますが、子どもや孫からかかってきた電話をまず疑わなければならないとは悲しいご時世ですね。何はともあれ、詐欺の被害にあわないよう、皆様もお気を付けください。 |