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(発行日 2015年6月5日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 ある小説が静かな脚光を浴びています。国を超えて結ばれる家族を題材にした物語です。数々のSF大賞を受賞した短編小説「紙の動物園(ケン・リュウ著)」は、米国男性に嫁いだ中国人女性とその息子の葛藤を描いた珠玉作です。
 貧しい中国の農村で生まれた女性は、請われるままに米国男性のもとに嫁ぎます。その幼い子供のおもちゃは、彼女が包装紙を織り込んで作った様々な動物たち。彼女はその紙の動物たちに命の魔法を吹き込みます。でも、子供が年を重ね、アメリカの慣習に染まるうちに、英語をうまく操れない母親との溝は深まります。子供は、動き回る紙の動物たちを箱に押し込み、天井裏に仕舞い込みます。そして、母親は癌に侵され、その溝は埋まらぬまま亡くなります。年頃になった子供は、蘇って動き回る紙の動物たちを開き、母親の生い立ちや気持ちを知り、天を仰ぎます。
 人は、相手のことを知るのは極めて困難だと自覚する必要があります。それは、人を言葉で表現するには、あまりに複雑で微妙だからです。これは、仕事における人間関係にも十分当てはまります。というように結ぶにはあまりに切ない物語です。

 

 

今月のトピックス

平成27年度税制改正 2


税理士  菊池 常雄


前号に引き続き、平成27年度税制改正改正のうち、資産税について解説いたします。

3.直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税措置の見直し  と適用期限の延長

@ 教育資金の範囲について(一人1500万円)
特例の対象となる教育資金の範囲に、通学定期代、留学渡航費等を加えることとされました。
A 金融機関への領収書等の提出について
平成28年1月1日以後に提出するものから、領収書に記載された支払金額が1万円以下で、かつ、その年中に
おける支払金額が24万円に達するまでのものについては、当該領収書等に代えて支払先、支払金額等の明細を
記載した書類を提出することができることとなりました。
B 適用限度額を平成31年3月31日まで延長する。



4.非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予制度についての見直し

非上場株式等の相続税の納税猶予制度とは、一定の非上場株式等(発行済株式総数の3分の2に達するまでの部分を上限とする)を相続又は遺贈により取得した後継者について、原則としてその非上場株式等の課税価格の80%に対応する相続税額の納税を、その後継者の死亡の日まで猶予するというものです(措法70の7の2@)。
また、贈与税の納税猶予制度は、一定の非上場株式等を贈与により取得した後継者について、当該株式の贈与に係る贈与税全額の納税を、その贈与者の死亡の日まで猶予するというものです(措法70の7@)。
この贈与税の納税猶予制度は、先代経営者(贈与者)が死亡した場合に、贈与税の納税猶予制度の適用を受けた非上場株式等を、相続又は遺贈により取得したものとみなして、贈与時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算するというものです。
(贈与者が死亡した場合の相続税の課税特例 措法70の7の3)。
なお、その際一定の要件を満たす場合には、その取得したとみなされた一定の部分に限る非上場株式等については相続税の納税猶予制度の適用をうけることができます。
(贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予制度(措法70の7の4))。
上記の納税猶予の適用が打ち切られる要件が改正されました。

・ 改正前
イ 納税猶予の適用を受けてから5年間の経営承継期間中に、1年ごとの基準日における常時使用従業者の数が
贈与又は相続開始時の常時使用従業員の数が贈与又は相続開始時の常時使用従業員数の80%を下回った場合。
ロ 納税猶予の適用を受けてから5年間の認定承継会社の総収入金額がゼロとなった場合

・ 改正後(平成27年1月1日以後)
イ 納税猶予の適用を受けてから5年間の経営承継期間中に、1年ごとの基準日における常時従業者の数の平均
(5年間の合計を5で割った数)が贈与又は相続開始時の常時使用従業員数の80%を下回った場合。
ロ 納税猶予の適用を受けてから5年間の認定承継会社の主たる事業活動から生ずる収入金額で営業外収益・特別利
益以外の金額がゼロとなった場合。

私の部屋    「 これが欲しい」

  

 20代の若いころは、世の例外に漏れず、背伸びをし、カッコをつけていました。「今何がほしい。」と言われると、ちょっと気取って「自由と平和」と答えていたのです。もちろん、心の中は「お金や地位、女性」などが渦巻いていました。
今同じ質問されても、やはり「自由と平和」と答えます。ちょっと違うのは、若いころは「自由と平和」を手に入れる手段にとらわれていました。でも今は、柳のように事柄を受け流せる「自由」と心の平安から来る「平和」がもっぱらの関心になっています。

 

あとがき
 先日、娘が通う中学校で運動会がありました。まだ小学生のようなあどけなさの残る子から、まるで大人のような体格の子まで様々でしたが、ひとつひとつの競技に真剣に取り組む生徒たちの姿を見て、若いって素晴らしいなと感じた一日でした。(坂本)

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