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(発行日 2016年5月10日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
「顧客の創造」、「リーダーに求められるのは真摯さ」、「業績は企業の内部には生じない」。これらは経営学の父と言われるP.F.ドラッカーの名言の一部です。いまなお多くのファンの心をつかんで離さないのは、組織の中の人間の在り方に深い洞察を加え、理論化したことに一因があると考えています。経営に関わる人はこの理論を深く学ぶ必要があります。
坂部の友人でこのドラッカー理論に精通している人物がいます。無理にお願いして、7月から月に一度講座を開いてもらうことになりました。開催は、8月を除き11月までの全4回、10名限定です。この講座は、経営をする者にとって一生の財産になると確信しています。ぜひご参加を。
今月のトピックス
消費税の軽減税率とインボイス制度 |
税理士 坂部 達夫 |
1.増税実施か見送りか 2.軽減税率対象品目 今回、軽減税率の対象となる品目は、飲食料品(酒類及び外食を除く)と定期購読契約の新聞(週2回以上発行)の2つになります。 例えばフランスでは、フォアグラが軽減税率の対象で、キャビアがそうではないといったわかりにくい区分があります。今回のわが国での導入にあたっては、食材での分類はせず外食とそれ以外とで区分されました。これによりテイクアウトの考え方などを整理すれば、区分はそれほど難しくはないように思います。 ただ、食料品が軽減税率の対象である一方で、外食は対象外であるため、ファミレスよりもコンビニのほうが競争上有利になるなどということが想定されます。また、グリコのおまけのように食料品にちょっとしたおまけがついている場合には食料品として扱ってかまわないことになっていますが、おまけが行き過ぎると当局の微妙な解釈が働くかもしれません。 3.インボイス制度の概要 軽減税率導入にあたって特筆しておきたいのは「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)です。インボイスとは欧米で使われている名称で、物やサービスを提供した者と受け取った者との間で交わされる証憑、一般的には請求書を指します。フランスでは、消費税率や税額がきちんと記載されている請求書(インボイス)がなければ、消費税を余分に支払う(仕入税額控除ができない)結果となるのです。 平成28年度の税制改正関連法によると、わが国ではインボイス制度は、軽減税率の適用の4年後、平成33年4月1日から導入されます。導入後、事業者が、仕入れ先に支払った消費税を差し引いて(仕入税額控除を受けて)納税するためには、次の3つの条件をクリアすることが必要となります。 @ 課税事業者であること 事前に税務署に課税事業者である旨の届け出が必要 届出開始日はインボイス制度開始日の2年前である平成31年4月1日から A 請求書等に事業者番号(登録番号)を記載すること B 請求書等の中に軽減税率の8%と標準税率の10%の品目が ある場合、軽減分に軽減税率である旨と消費税額を記載すること 課税事業者の登録により番号が付与されるため、番号の記載のない請求書は仕入れ税額控除ができないことになり、その業者は取引から除外されかねません。さらに危惧すべき問題は、課税売上1000万円以下の場合に認められている免税制度を利用している中小零細事業者です。仕事の発注側からすれば、仕入れ税額控除が適用できないと税負担が増えるので、インボイスを出せない免税事業者が排除される恐れが出てくるのです。免税事業者は届出により課税事業者になることが可能ですが、インボイス制度の完全実施までには、免税制度について何らかの手当てがなされるのではないかと思っています。 4.経過措置 平成29年4月の軽減税率導入からインボイス制度導入までの4年間は、請求書等に簡易な記載(軽減税率対象品目であること等)をすることにより仕入れ税額控除が可能になります。また、その軽減税率品目と標準税率品目とを区分しての税額計算においても簡便な計算が認められています。 |
私の部屋 「柴又を訪ねて」
先日、幼馴染に誘われて、柴又観光に行ってきました。観光といっても、帝釈天を参拝しお団子などを食べるのみで、のんびりすることが目的でした。 日本庭園を眺めながら温かいお茶を頂き、気がついたら一時間以上も同じところに座っていました。侘び寂びを感じる!というと大仰ですが、懐かしいような、心の奥が落ち着く空間だったように思います。ボランティアの方が教えてくださった歴史の話も興味深かったですし、天候の関係かあまり人がいなかったのも、落ち着いて過ごせた理由かもしれません。 貴重な休日、レジャー施設で盛り上がるのも充分楽しいのですが、自然を感じられる静かなところに赴いてみるのもいいな、と感じました。 |