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(発行日 2017年7月7日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
技術職とりわけ職人の世界では、「仕事は教えられるものではなく、盗むものだ」と当然のように言われています。親方の所作を、見て覚えることが今でもまかり通っているのです。
盆栽界に小林国男さんという親方がいます。盆栽は職人の世界、当然のように技術は盗むものとされています。その小林さんが、盆栽をチョキチョキやりながら独り言のようにおっしゃいました。「やり方や技術は盗むのではなく、それは学ぶ。本当に盗むのはその人の発想や考え方で、これは教えたくても教えることができないからなんだよ。」
その親方の隣には、枯れた松(真柏というらしい)が・・・。ベテランのお弟子さんたちは、それが500万しただとか、水やりの失敗だとか、黄金虫がいるだとか、口々に言っています。親方は、その雑言を無視して、弟子のひとりに向かって「おーい、花を買ってきてくれ。線香もな。」と言われました。私が、「親方それは盆栽の供養ですか。」というと「そうだ。裏には墓もある。坊主も呼ぶんだ。昨日も水をやりすぎて枯らした夢を見たよ。」その人の発想や考え方を盗むという意味では、私は盗んだと思いました。
今月のトピックス
認定支援機関による早期経営改善計画策定支援 |
中小企業診断士 伊藤 恒人 今年5月に公表された新しい中小企業対策「早期経営改善計画策定支援事業」を紹介します。 |
1.事業の概要 認定支援機関の支援を受けて、早期経営改善計画を策定し、金融機関と経営改善支援センター(以下、支援センターという)に提出し、さらに1年間のモニタリングを実施することで補助金が支給される、というものです。 2.従前の「経営改善計画策定支援」との違いは
(1)支援対象の中小企業・小規模事業者が、認定支援機関と連名で、支援センターに早期経営改善計画策定の 事業利用申請書を提出します。同時に、金融機関から事前相談書を入手して同センターに提出します。 (2)支援センターは、申請書の内容を審査して適切と判断した場合は、認定支援機関に通知します。 (3)それを受けて、支援対象の中小企業者等と認定支援機関は、早期経営改善計画を策定後、金融機関に 提出し、提出したことを確認できる書面を取得します。 (4)その後、支援センターに、早期経営改善計画、金融機関への提出確認書類、事業費用の支払申請書を提出 します。 (5)支援センターは、提出された書類を審査して、早期経営改善計画策定支援に係る費用の3分の2を上限 (補助上限20万円)として支出します。 (6)計画策定後、認定支援機関はモニタリングを実施し、モニタリングに対しても、費用の3分の2を上限 (補助上限5万円)とする補助金があります。 補助金の上限額は、計画策定費用とモニタリング費用合わせて20万円です。 4.策定する経営改善計画 従前の経営改善計画策定においては、計画の内容に、a.ビジネスモデル俯瞰図 b.グループ相関図 c.資金繰実績表 d.経営改善計画に関する具体的施策及び実施時期 e.アクションプラン及び3年間のモニタリング計画 f.資産保全表 g.貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書等の計数計画(金融支援を含む) h.その他必要とする書類、を含むことが求められていました。 一方、今回の早期経営改善計画策定においては、金融支援を直接的な目的としていないので、要求される内容も簡略化されており、a.ビジネスモデル俯瞰図 b.資金実績・計画表 c.損益計画 d.アクションプラン を記載することとなっています。 5.モニタリング 申請した事業者と認定支援機関は、早期経営改善計画の記載に基づいてモニタリングに取り組み、計画策定後1年を経過した最初の決算時に、その実施状況について金融機関と共有し、支援センターに報告することになっています。 また、モニタリングにおいて、早期経営改善計画と実績の乖離が生じている場合は、認定支援機関は申請者に適切なアドバイスを行います。さらに乖離が大きく、経営改善や抜本的に事業再生を行う必要がある場合には、支援センター及び中小企業再生支援協議会に相談することができます。 詳しくは、下記のサイトをご参照ください。 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/2017/170510kaizen.htm |
私の部屋 「 刀剣女子 」
ここ数年、20〜30歳代の女性の間で日本刀がブームになっているのをご存じでしょうか。本物の名刀を一目見ようと、地方の博物館でも長蛇の列ができるほどの人気ぶりで、周辺の経済効果に一役買っているようです。 私も実際に足を運んだのですが、入場するまでの待ち時間が4時間、実際に刀を拝める時間は4秒、というなんとも贅沢な時間の使い方となりました。 人が多く集まるとマナーなどの問題も発生しがちですが、同じ日本刀を愛する者同士、所有者・研究者・愛好家、皆が一丸となって盛り上がっていけたらいいな、と思っています。 |