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(発行日 2018年6月6日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫 

日曜日の朝、NHKのフランス語講座でマイク・シャガールの特集を組んでいました。シャガールは、妻ベラ(ベラ・ローゼンフェルト)を一途に敬愛していたこと、そしてベラへの愛や結婚をテーマとした作品を多く製作していることから別名「愛の画家」とも呼ばれており、ご存知の方も多いと思います。

そのワンシーンで、フランスのコート・ダジュールにあるサン・ポール・ド・ヴァンス村にある墓碑に刻まれた言葉を紹介していました。
「もし、人生に終わりがあるなら、生ある時は、愛で満たし希望で彩る必要があります。」さすが色彩の魔術師といわれた画家です。終わりがあるからこそ、生を謳歌しなさいというメッセージです。コート・ダジュールの青い空とそこでベラとともに生きたシャガールの笑顔が目に浮かぶようです。

今月のトピックス

キャッシュレス化の問題と取組み


中小企業診断士 伊藤 恒人

 

1.はじめに

世界的にキャッシュレスの流れが加速している中で、日本のキャッシュレス化は遅れているといわれています。
今年4月、経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」という報告書を発表しました。

その中に掲載された「キャッシュレス決済比率」の国際比較データでは、韓国89.1%、中国60.0%、カナダ55.4%、イギリス54.9%、・・・、日本18.4%になっています。この状態に対して経済産業省は、「未来投資戦略2017」の中で、2027年までにこの比率を40%にする目標を掲げて取り組んでいます。さらに、今回発表した「キャッシュレス・ビジョン」では、この目標を前倒しすることを宣言しています。


2.取組みの目的

キャッシュレス化を推進する目的としては、以下のことが挙げられます。
@2020年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人が増加することに対応する。
A今後労働力が減少する中で、現金管理のための事務、輸送、警備、ATM維持などの手間とコストを削減する。 
B現金決済による脱税、マネーロンダリング等の犯罪を抑制する

 

3.進まない要因

国家的な推進にもかかわらず進まないのは、日本独特の社会情勢および店舗、消費者それぞれについて以下のような要因があります。

<社会情勢>
@盗難が少なく治安が良いので、現金が安全である。
A偽札の流通が少なく、現金に対する高い信頼がある。
B店舗等のPOSレジの処理が高速かつ正確である。
CATMの利便性が高く現金の入手が容易である。

<店 舗>
@導入コスト:端末の機器設置、スペース確保、回線使用などのコストが発生する。
Aランニングコスト:支払サービス事業者に支払う手数料が店の負担になる。クレジットカードの場合、手数料は2〜8%。
Bオペレーション:売上票(利用控え)の発行、サイン、暗証番号などのオペレーションの負担がある。
Cタイムラグ:クレジットカード支払では、資金化までに半月〜1ヶ月程度のタイムラグがある。

<消費者>
@キャッシュレスに対応していない店舗が多く存在している。
A個人情報を提供することに抵抗がある。
B後払いによる使い過ぎの不安がある。
Cキャッシュレスでは割り勘が難しい。

 

4.政府の対策

2014年の日本再興戦略(アベノミクス成長戦略)では以下の方針を公表しており、その後も推進しています。

(1)訪日外国人向けの利便性向上
@海外発行クレジットカード等での現金引き出しが可能なATMの普及
Aクレジットカード等使用可能店舗での表示促進
B地方商店街や観光地等でのクレジットカード等決済端末の導入促進
C海外発行クレジットカード等での交通系カードの利用環境の整備
D百貨店における面前決済の一般化

(2)クレジットカード等を安全に利用できる環境整備
@クレジットカード決済システムの乱用防止(悪質な加盟店の排除等)
Aクレジットカード番号や個人情報管理等のセキュリティ対策強化
Bクレジットカード、POSなどのキャッシュレス決済端末のセキュリティ仕様の標準化
Cキャッシュレス決済の適切な使い方に関する理解の促進

(3)公的分野の効率性向上の観点からの電子決済の利用拡大
@公的納付金の電子納付の一層の普及
A官公庁においてクレジットカードの利用可能化(H29年1月から実施)

冒頭紹介の「キッシュレス・ビジョン」では、「キャッシュレス推進協議会(仮称)」を母体として、オールジャパンの取組みとして推進することを宣言しており、クレジットカードの他、スマホ決済、デビットカード、電子マネー、FinTech等を活用した新たな支払い手段についても幅広く検討が行われています。

 

5.おわりに

キャッシュレス化推進の背景と目的はよく分かりますが、進まない要因を見ると、民度が高いこと、また、現金に対する高い信頼が遅れる要因になるのは残念だと思います。因みにキャッシュレス決済比率の国際比較データを見ると、ドイツは日本より低い14.9%です。
この国も日本と同じような要因があるようです。


私の部屋  「青春時代」

先週と今週と子ども達の運動会がありました。小学校、中学校ともに最後の運動会となりました。
小学生は家族でお弁当を囲む最後の運動会です。例年より品数を1、2品増やし、みんなでワイワイと楽しい運動会でした。中学生は総勢60人の男子による応援団が見ものでした。長男も副団長として朝練、放課後練習と仲間と笑いあい、喧嘩しあいながら熱く頑張っていました。

あっという間の青春時代、何にでもチャレンジして欲しいと思います。
「青春時代はあとからほのぼの思うもの〜」ですね、長男の姿を見て私も夫もこの頃ほのぼのしています

 

あとがき
十数年ぶりに冷蔵庫を買い替えることになりました。ただ問題は、購入予定の冷蔵庫が所定の位置まで運べるかが微妙でした。
事前に配送業者の方に下見に来てもらったところ「ギリギリ行ける!」との判断。配送当日、家族総出で見守る中、プロ達の巧みな連携プレーにより無事難所を突破!お見事です!(小高)

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