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(発行日 2018年10月10日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 税務調査官は権力を笠に着てぞんざいな口をきき、目は鋭く、追徴税は必ず搾り取っていくイメージではありませんか。わが子がいじめに遭うのを怖れて、学校へ提出する職歴は「公務員」と書くのだと、知り合いの税務職員が言っていたのを笑い話として思い出します。もちろんこれは昔の話で、今はこんな税務調査官はいないと思います。税務調査で行き会った入署2年目の若い税務調査官は、「面接の時には社会正義という言葉を使いましたが、実際は、公務員として高度な専門知識と実務能力を持つうえでは最適の職場と考えたからです。」と言っていました。先入観や思い込みで人を見てはいけないという最適事例です。税務調査で紛糾するのは、こんな思い込みから始まるのです。弊所の税務調査は、ほとんど何もなしで終わります。

今月のトピックス

いま注目を集める「民泊」 ビジネスとは


日本橋くるみ行政書士事務所
代表行政書士 石井くるみ(宅地建物取引士・東京都行政書士会中央支部理事)

 日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2017年の訪日外国人旅行者数は2,869万人と、統計を取り始めた1964年以降で最多となりました。民泊とは、住宅の一部又は全部を宿泊施設として提供する宿泊サービスをいいます。自宅の空き部屋や投資用マンションの空室を他人に提供することはもちろん、お盆や正月に友人や親戚を自宅に泊めることも、広く民泊に該当します。 
 民泊を反復継続して有償で行う場合、我が国においては原則として旅館業法の許可等が必要となります。例えば、インターネットを通じて宿泊客に反復継続かつ有償で宿泊サービスを提供する場合は旅館業法の許可が必要です。
 制度上合法的に認められる民泊は、大きく(1)イベント民泊、(2)旅館業法許可型、(3)農家民宿、(4)農家民泊、(5)特区民泊、(6)住宅宿泊事業(民泊新法)に分類できます。


1 イベント民泊
 
 イベント民泊は、年 1 回(2~3日程度)の公共性の高いイベント開催時であって、宿泊施設の不足が見込まれることにより、開催地の自治体の要請等により自宅を提供するものです。イベント民泊は住宅を宿泊客に有償で提供しますが、反復継続性はないため旅館業法の許可は不要です。 


2 旅館業法許可型

 住宅において旅館業法に基づく許可を得て民泊を行う形態をいいます。従来は「簡易宿所営業」の許可を受けて営まれるものが一般的でしたが、2018年6月に改正旅館業法が施行され、それまで旅館営業では5室以上、ホテル営業では10室以上とされていた最低客室数制限が撤廃されたため、今後は「旅館・ホテル営業」の許可を取得する小規模施設が増加すると考えられます。


3 農林漁業体験民宿業(農家民宿)

 施設を設けて人を宿泊させ、農林水産省令で定める「農村滞在型余暇活動又は山村・漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する営業」を農林漁業体験民宿業(以下、「農家民宿」)といいます。農家民宿は旅館業法に基づく簡易宿所営業の許可を受けるため、民泊を反復継続して有償で行うことが認められます。農家民宿では、田植え・稲刈り体験、カブトムシ取り、そば打ち体験や旬のオーガニック野菜を使った手作りピザ体験等、各地域の自然を活かした体験型の旅を楽しむことができます。


4 農家民泊(無償民泊)

 農家民宿と混同されがちな民泊の類型として農家民泊があります。農家民泊は「教育旅行など生活体験等を行い、無償で宿泊させる」ため旅館業法の適用対象となりません。
 学校の修学旅行等で一般家庭がボランティアで学生を受け入れる農家民泊や、お寺で座禅等の修行体験を提供する宿坊も、宿泊者から食事等の「実費のみ」を徴収する場合には旅館業法の許可は不要と解されます。

 
5 国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)

 国が定めた国家戦略特別区域(特区)で実施できる事業の1つに、外国人滞在施設経営事業(以下、「特区民泊」)があります。2016年1月に全国で初めて条例を施行した東京都大田区に続き、同年中に大阪府、大阪市及び北九州市等が特区民泊制度を開始しました。訪日外国人観光客の宿泊需要が旺盛な大阪市では、近年特区民泊の申請件数が増加しています。


 6 住宅宿泊事業(民泊新法)

 2018年6月に施行された住宅宿泊事業法に基づき、住宅に人を年間180 日を超えない範囲で宿泊させる事業です。住宅宿泊事業を行おうとする者は、都道府県知事等に届出を行うことにより、旅館業の許可を受けることなく有償で宿泊サービスを提供することができます。観光庁によると、2018年8月17日における届出受付件数は全国で7,594件となっており、旅館業法の許可より緩やかな届出でスタートできる住宅宿泊事業は、住宅を活用した宿泊事業へのチャレンジとして最適な制度です。

 実家の空き家や、子供が成長して独立したため自宅の空き部屋がある方は、ぜひ「民泊」として有効活用してはいかがでしょうか。


(石井くるみ氏プロフィール)
  

    日本橋くるみ行政書士事務所
   代表行政書士 石井くるみ(宅地建物取引士・東京都行政書士会中央支部理事)
   〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町11-8 日本橋118ビル7階
   tel:03-4405-6474 / 070-5071-9969
   E-mail: i963@outlook.jp

   Web: http://kurumigyosei.com



【略歴】
早稲田大学政治経済学部卒業。公益財団法人消費者教育支援センターに研究員として勤務後、法律事務所勤務を経て日本橋くるみ行政書士事務所を開設。不動産ビジネスに関する法務及びコンサルティングを専門とし、大企業の顧問から個人の民泊・旅館業の許可取得に至るまで、幅広いサポートを提供している。民泊に関する講演・セミナー、寄稿などの実績多数。主な著書に
「民泊のすべて」(大成出版社)、共著に「行政書士の業務展開」(成文堂)など。

 
私の部屋    「 大名庭園を散策コースに 」
 江戸時代の東京は7割が武家の土地でした。全国の大名は参勤交代の為江戸に複数の屋敷を持っており、いつ来るかわからない将軍のお成に備え、競って庭園を作りました。その費用は藩の1年分の予算に匹敵したとも言われています。江戸時代の庶民には見る事の出来なかった庭園を、現在の東京ではお殿様、お姫様気分で気軽に散策できます。小石川後楽園、六義園、浜離宮恩賜庭園、清澄庭園、新宿御苑等々。
これからの季節、秋は紅葉、冬は落葉樹で石踏がよく映え、違った楽しみ方ができます。
週末は名勝といわれる大名庭園をのんびりと散策して、江戸時代にタイムスリップするのが楽しみです。
あとがき
 民法が40年ぶりに改正されました。目玉の一つが「配偶者居住権」の創設です。夫又は妻が亡くなった際に、自宅を生存配偶者以外が取得しても、当該配偶者が今まで通り自宅に住み続けることができる権利です。残された配偶者は生活基盤の安定が図れるため、期待の大きい制度です。(坂部啓)

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