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(発行日 2019年3月7日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 

 部下が、自分の指示に対し、不機嫌そうに対応するのを見て、「こいつは、俺を舐めている。小ばかにしている。」と思う。でも、よくよく考えてみると、部下は「不機嫌そうな態度」をとっただけです。その理由は、体調が悪かったのかもしれないし、家族が病気で気になっていたのかもしれない。事実とそれを評価する感情とは別のもの。人は、過去の挫折・失敗の経験から「悪く言われた、否定された。」として、勝手に悪いほうへ反応します。これを解決する糸口は「自分は『悪いほうへ』勝手に反応しているのではないだろうか。」と自問自答することにあります。究極の解決は、「刺激(不機嫌そうな態度)」に「反応」しないことです。ところが、現実には難しいので、刺激(不機嫌そうな態度)に対する最初の反応(こいつは、俺を・・・)から、さらに意識を展開しないことから始めると良いのです。これを禅宗の言葉で「二念を継がない」と言うそうです。

今月のトピックス

相続法改正! 〜 自筆証書遺言方式緩和等 〜 

岩井司法書士事務所 岩井 進

 1.自筆証書遺言の方式の緩和・保管制度の創設
 遺言の方式には、主に手書きの遺言である自筆証書遺言と、公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。

(1)現行の自筆証書遺言と公正証書遺言との比較(メリット・デメリット)
 自筆証書遺言は、費用をかけずに自分だけで作成できるという手軽さがある一方で、次のようなデメリットがありました。

@ 方式が厳格で、方式違反により無効となるリスクがあること。方式は、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印することです。全文を自書する必要があるので、内容が複雑な場合や財産が多数ある場合には相当な負担になります。さらに、書き間違えた場合の訂正方法にも法定の方式があり、方式に違反すると訂正が無効になります。

A 保管方法によっては、紛失したり、他人に変造、破棄、隠匿されてしまったり、相続人等が遺言書の存在に気付かないといったリスクがあります。

B 相続発生後、家庭裁判所の検認手続が必要になり、手間と費用と時間がかかること。遺言書の検認は一種の証拠保全手続で、検認期日には相続人全員に立会いの機会を与えたうえで、遺言書の開封や内容物の確認等を行います。検認手続を経ていない自筆証書遺言は相続手続に使用できません。
   
 これに対して公正証書遺言は、@無効になるリスクはほぼゼロで、A紛失や変造等のリスクもなく、相続発生後相続人が公正証書遺言の有無を照会でき、B検認手続も必要ありません。しかし、公証人に作成を依頼して諸々の打合せを行う必要があり、作成の際は証人2名の立会いも必要なので、自分だけで手軽に作成するというわけにはいかず、費用的にも公証人手数料や証人2名の日当が必要になります。

(2)自筆証書遺言の使い勝手が良くなりました。
 平成30年7月に成立した民法改正により、手軽に作成できる自筆証書遺言の利用促進と相続の紛争防止の観点から、次のとおり方式が緩和され、保管制度が創設されました(方式緩和は平成31年1月13日施行、保管制度創設は2020年7月10日施行)。

@ 方式が一部緩和されました。具体的には、遺言書に添付する財産目録をパソコン等で作成したり、財産目録として預貯金通帳のコピーや不動産の登記事項証明書を添付したりすることが認められました(財産目録は本文とは別の用紙で作成し、各頁に署名押印する必要があります)。

A 保管に伴うリスクに対応するため、法務局において自筆証書遺言を保管する制度が創設されました。これにより遺言書の紛失や変造等はなくなり、相続開始後には相続人等が保管の事実の有無を照会できます。

B 保管制度により保管された遺言書については、検認手続が不要とされました。なお、法務局は保管を受ける際に遺言書の形式チェックを行うので、方式違反により遺言書が無効となるリスクも軽減されます。

2.法定相続情報証明制度の創設
 各種の相続手続では、被相続人の法定相続人を確定するため被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を含む戸籍謄本等一式が必要です。この戸籍一式は事案によってはかなりの分量となり、相続人側のみならず提出先においても物理的な取り回しが大変な作業となります。さらに提出先では戸籍内容の審査がその都度必要になるため、相続手続の処理に時間がかかる原因にもなります。
 そこで、分厚い戸籍の束の代わりに、1枚(事案によっては複数枚)の証明書で被相続人の法定相続関係を証明できる制度が創設されました(平成29年5月29日施行)。被相続人の戸籍一式と相続関係図等の法定相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を法務局に提出すれば証明書の交付が受けられ、その後の相続手続ではその証明書を提出することで何度も戸籍の束を出す必要がなくなりました。



私の部屋    「 すごいスピード! 」


 先日、業務効率改善ソフトの見本市に行ってきたときのことです。
なにやら、ひときわ異様な雰囲気を放つブースが・・
 無人のパソコン上で、ウインドウやマウスポインタが目にもとまらない速さで動いているのです。
 聞けば、「RPA」ソフトの実演だそう。RPAとは、単純な間接業務を自動化するためのシステムの総称。
 業務の処理手順を事前に登録しておけば、あとはRPAソフトが様々なアプリケーションを横断しながら、自動で反復処理するんだとか。
 例えば、「請求書発行ソフトを立上げる→元データから金額を打ち込む→印刷する」という一連の業務を、RPAソフトが人間に代わって自動処理を行うといった具合です。理屈の上では100時間でもぶっ通しで行えるのだから恐ろしい。
 単純業務が機械にとって代わられるといった類の話は、周知の通りですが、その流れは想像していたよりも速そうです。

 

あとがき
 三寒四温の言葉通り、暖かい日と寒い日が行ったり来たりのこの頃ですが、早く暖かくなれ・・と思う一方で、鼻がムズムズ、目がゴロゴロと花粉症の兆しに気が重くなります。「はやぶさ2」の快挙に感動しながら、その技術と情熱を花粉症にも、と思わずにいられない・・(喜志)

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