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(発行日 2019年8月6日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
代表取締役・税理士 坂部 達夫
アインシュタインの有名な言葉に「想像力は知識を凌駕する。」というものがあります。
「知識ではカバーできない部分を想像力で補って、問題を解きほぐす。」という感覚で使っているのですが、最近旅行でも応用しています。北海道旅行で、飛行機の予約、レンタカー予約、ホテルの予約、観光施設の予約など、数か月前から計画し、ネット、メール、電話を駆使して情報を集め、2泊3日の行程をイメージしていくのです。そして、その行程に必要な用具を準備する。文字数の関係で詳細はお伝え出来ないのですが、ネットや電話で様々な知識を入手し、想像力を使って安心・安全な旅行を組み立てると意外と面白い。「もうやってるよ。」という方、「そんなんよりパック旅行が良い。」という方にはごめんなさいですが、こんな想像力は意外と経営でも役にたちます。
今月のトピックス
家族信託を活用する |
代表取締役・税理士 坂部 達夫
1.はじめに
令和元年9月4日に弊所会議室にて家族信託のセミナーを開催します。講師は私、坂部と大野司法書士のペアで務めます。なぜ、このセミナーを開催するのかというと、投資信託は知っているけど、財産管理としての「信託」はわからないという声が多く、遺言や成年後見制度を補って余りある、その効果が十分に理解されていないと感じるからです。
2.家族信託の基本的な構造
信託の効果の源泉は、その財産を信頼できる人に預けて、そこから受ける利益を第三者に移転するという仕組みにあります。信託は、中世ヨーロッパの十字軍の時代に生まれた制度といわれています。当時は、土地の所有者が亡くなると、その土地は領主に没収されたといいます。戦地に赴く戦士は、友人に頼みます。「これから戦地に向かうが、妻子が使っている不動産を預かってくれないか。そして、私に何かあったら妻子にその不動産を使わせてやってくれ。」
この場合の、登場人物は3人です。財産を所有している人(戦士です。以下委託者Aといいます。)、その財産を預かってその財産を管理・運用する人(友人です。以下受託者Bといいます。)、その財産の管理・運用から発生する利益を受ける人(妻子です。以下受益者Cといいます。)の三者の関係であることに信託の特徴があります。
最初に委託者Aと受託者Bの契約により、「受益者Cのために委託者Aの財産を使ってくれ。それ以外には使ってくれるな」と約定すれば、受託者Bは、所有権を取得していながら、約定から外れた財産の使い方ができません。従って受益者Cは安心してその財産から生まれる利益を手に入れることができることになります。
3.家族信託の一気通貫効果
父親がアパートを所有しているが、アパートの管理は年齢的に難しくなっていて、アパートそのものも老朽化が進み、いずれ建替えや大規模リフォームを考えなくてはならないといったケースがあるとします。
このようなケースにおいて父親が、
①アパートの管理は後継ぎである長男に任せたい、
②認知症になったらアパート建替え等の判断ができなくなってしまうので対策をしておきたい、
③管理は長男に頼むとはいえアパートの運用から生じる利益の半分程度は、妻が存命中であれば妻がもらえるようにしたい
と希望した場合、
信託以外の現行制度でこれを実現するには、
①父親が長男にアパート管理を委任する「委任契約」、
②父親が認知症になった時に後見人を立てる「任意後見契約」、
③父親が亡くなった時にアパートの所有権の半分を妻に相続させる「遺言」
が必要となります。
ところが②の後見制度は父親本人のための制度なので、家族のための運用には裁判所が制限をかける可能性がありますし、遺言で不動産を共有にした場合、建替えや売却等において共有者の合意が必要となってしまいます。
家族信託ではこのような問題を一気に解決することができます。そのアパートの管理や建替え等の判断を長男(受託者)に任せ、父親の生前は父親(委託者+受益者)がアパートから生じる利益を受け取り、父親の死後は妻(受益者)が利益の半分を受け取ると設計すれば、委任契約・後見契約・遺言の弱点をカバーできるのです。ポイントは長男が父親の意を汲み、アパートを適切に管理し、そこから生じる利益を契約で定められた人に渡すという受託者としての業務を誠実に続けていくことにあります。
詳しくは9月4日のセミナーにてお話ししますのでお楽しみに。
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私の部屋 「初めまして」
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7月より入所しました宮武と申します。
前職は畑違いですが、システムエンジニアをやっておりました。プログラミングや社員の方のパソコンのメンテナンスなど、会社のシステム周りの作業を主に行っておりました。
休みの日は、マラソンが好きなので、皇居や上野公園あたりをランニングしています。都心にも意外と自然がきれいな所があり、気分転換にいいな、と思うこの頃です。
前職の知識を活かせる所を見出しつつ、当所での業務に励みたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。
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あとがき
東京オリンピックまで1年となりました。国立競技場の設計やロゴのデザイン、豊洲市場移転延期に伴う道路事情等さまざまな問題もありましたが、チケットの販売も始まり(私は外れましたが・・)、競技場も大方出来上がってきて、本当に始まるんだとワクワクしています。せっかくの自国開催ですから楽しまなくては・・。(喜志)