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(発行日 2020年5月15日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫


 新型コロナウイルス感染症により、休業あるいは売上減にあえぐ会社が急増しています。国の持続化給付金や各自治体の協力金、あるいは無保証・無利子の緊急融資など、使えるものは積極的に使っていく姿勢は重要です。しかし中小企業にとって命ともいえる、雇用を守るための雇用調整助成金制度については憤りを感じます。1970年代にできたこの制度を現下の状況に適応させるため、泥縄式に様々な変更が加えられていますが、手続きの煩雑さ等を改善するには至らず、4月24日時点で約400万社ある企業のうち、支給件数は3千件に満たない。経済情勢の悪化による雇用の流動化が避けられない状況を考慮すると、直接労働者を救済できる仕組みを作り、中小企業の自主性・再建をしっかり後押ししてほしいと思います。

 

今月のトピックス

新型コロナウイルス感染症に伴う緊急経済対策

税理士 坂部 啓太
  

  4月16日よりコロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言が発令され、急速な経済活動の縮小が続いています。特に、春休みやGWを跨いだ外出自粛に対する経済的な損失は計り知れず、毎日不安な日々を過ごされている方は多いことと存じます。
 一方で、国や地方自治体は、コロナウイルス感染症の影響により、経済的損失を受けた事業者の皆様に対して、いくつかの政策を打ち出していますので、再度ご案内させて頂きます。
 お困りごとにつきましては、ご遠慮なく弊所担当までお問い合わせ下さい。


1.持続化給付金


(1)概要
 コロナウイルス感染症に伴う、経済活動の縮小により、大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧とするための給付金です。

(2)給付額
 直前の事業年度の年間事業収入から、対象月(注1)の月間事業収入に12を乗じた金額を差し引いた金額が給付金額になります。
 ただし、中小法人等は200万円、個人事業者等は100万円が給付上限となります。申請期間は、2020年5月1日~2021年1月15日までです。

(3)対象者
 下記①~③のいずれも満たす者が対象となります。

 ①中小法人(NPO法人や医療法人等も含まれる)や個人事業者
 ②2019年以前から事業による売上があり、今後も事業を継続する意思があること
 ③2020年1月以降、新型コロナウイルスの影響により、前年同月比で事業収入が50%以上減少(注2)(注3)した【対象月】が存在すること

 (注1)月間事業収入が、前年同月比50%以下となる月で任意で選択した月を【対象月】と呼びます。対象月は、2020年1月~12月から選択します。
 (注2)月あたりの変動収入が大きい事業者や、新規開業者等には、特例があります。
 (注3)個人事業者で一定の場合には、前年同月比との比較ではなく、2019年の月平均の事業収入と対象月の月間事業収入を比較するなどの特例があります。

(4)申請方法
 Web上での「電子申請」が原則となります。中小企業庁の申請用ホームページにマイページを作成し、申請情報を入力後、証拠書類をアップロードして申請を行います。


2.実質無利子・無担保の融資


(1)概要
 新型コロナウイルス感染症特別貸付として、日本政策金融公庫により、一定の要件を満たす事業者に対して実質無利子、無担保の融資が実施されてきました。しかし、申込みが集中し、迅速な貸付けが難しい状況が続いていました。そこで、民間金融機関においても同等の実質無利子・無担保の融資が開始されることとなりました。いわゆる「00(ゼロゼロ)融資」です。
 一定の要件を満たす事業者に対しては、金利も保証料も0円になります。しかも、国の予算措置により最初から利息・保証料を支払う必要がありません。融資限度額は、3千万円とされ、融資期間は最長15年(うち据置期間最長5年)となります。
 00(ゼロゼロ)融資は、日本政策金融公庫の取組である新型コロナウイルス感染症特別貸付とは別の融資となります。また、保証協会等による信用保証付きの既存債務であれば、借り換えにより、返済の負担を軽減できる場合があります。窓口は、主要取引先である金融機関となります。

(2)実質無利子・無保証の要件
 選択月の売上高が、前年対比でどの程度減少しているかに応じて、利子、保証料の減免額が異なってきます。
 ≪個人事業主≫
   前年対比5%以上の減少で、保証料ゼロ、無利子(当初3年間)となります。
 ≪個人事業主以外の中小・小規模事業者≫ 
   前年対比5%以上の減少で保証料2分の1となり、15%以上の減少で、保証料ゼロ、無利子(当初3年間)となります。


 3.その他の政策

(1)休業要請等に関する協力金(各都道府県独自の取組)
 東京都では、「東京都感染拡大防止協力金」として、都の要請や協力依頼に応じて、施設の使用停止や営業時間の短縮に全面的に協力をした中小事業者に対して協力金が支払われます。原則50万円ですが、2事業所以上の事業者へは100万円が支払われます。

(2)固定資産税の減免
 一定の要件を満たす事業者は、2021年度の固定資産税が減免されます。減免額は、2020年2月~10月までの任意の連続する3ヶ月間の事業収入の対前年同期比減少率に応じて異なります。50%以上の減少率で、全額減免となり、30%以上50%未満の減少率で、2分の1の減免となります。 

(3)雇用調整助成金
 事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主が、労働者に対して、一時休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用を維持した場合には、休業手当、賃金等の一部を国が助成する制度です。

(4)納税の猶予
 一定の要件を満たす事業者は、申請により納税が猶予されます。猶予が認められた場合、原則として1年間の納税が猶予されます。また、猶予期間中の延滞税が免除又は軽減され、原則として担保は不要とされています。


私の部屋    「STAY HOME」

 今年のゴールデンウイークは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、5日間一歩も外に出ませんでした。自宅にいる間、私がハマったのは「電子書籍(漫画)」です。ゴールデンウイークの間、何十冊もダウンロードして漫画を読んでいました。特にハマったのがマンガ大賞2019で第2位となった田村由美さん(私と偶然名前が似ています!)の「ミステリと言う勿れ」という漫画です。なるほどと考えさせられるセリフが多く、読み入ってしまいました。もともと出不精なので、ストレスを感じることなくSTAY HOME週間を過ごすことができました。ただ、すっかり運動不足になってしまったので、自宅で体を動かすヨガなども始めてみようかな…と考えています。

 

あとがき
 流行りのリモート飲み会にチャレンジしてみました。元気なおばちゃん仲間なので、右往左往しながら画面上で久しぶりのご対面に大騒ぎ、どうした訳か私の声だけみんなに届かないので、ホワイトボードでの筆談参加となりました。今のご時世それもまた楽し・・(喜志)

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