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  (発行日 2024年3月15日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
  はじめに
      税理士  坂部 達夫 
      
      
      
 税務は税法で運用されますが、なかなか法律(条文)だけで捌き切れるかというと、そうとも言えないところがあります。経済法であり公法(国と私人との関係)である租税法は、徴収する側とされる側の対立構造であるため、極めて人間らしい側面を持つ法律です。
       例えば「うっかり」の処理です。これは、法律用語で言えば「錯誤」ですが、とりわけ、納付書への転記誤りなどは、その処理は、法律には書いてありません。払いすぎていれば、お願いして返してもらうことになります。じゃあ、少ない誤納付はというと罰金が法律で決まっているのですね。
 徴収する側の理論が先行する場面です。
      
   
  今月のトピックス
  
    
        
          
            
                【不定期連載】労働者を雇ったら知っておくべきこと ~ ④ 社会保険(前編) ~
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            特定社会保険労務士  喜志 久美子   
                 
                 
               
                1.はじめに 
                 
                 広義の社会保険とは「医療、年金、介護、雇用、労災」の総称ですが、狭義の社会保険は「健康保険(介護保険を含む)、厚生年金保険」であり、「労災保険、雇用保険」は労働保険となります。今回は狭義の社会保険について2回に分けてまとめてみます。 
 
                2.適用事業所 
                  常時5人以上の従業員を使用している適用業種の個人事業所及び常時1人以上の従業員を使用している法人の事業所は、すべて健康保険・厚生年金保険に加入しなければなりません。 
 「適用事業所に使用される人」が被保険者となるため、個人事業主は被保険者にはなれませんが、法人の代表者は「法人に使用される人」と扱われるため被保険者資格を取得します。つまり、法人であれば代表者1名だけであっても加入しなければなりません。 
 
                3.被保険者 
                 
                 通常の労働者(正社員)を基準に、「1週間の所定労働時間」および「1か月間の所定労働日数」が4分の3以上であれば、パートタイマーでも被保険者となります(※1)。正社員が週5日40時間勤務とすると、パートタイマーは週4日30時間以上の勤務であれば被保険者ですが、正社員が週5日35時間勤務の場合は、パートタイマーは週4日26.25時間以上の勤務で被保険者になります。 
                 厚生年金保険は原則70歳で喪失となりますが、喪失後も勤務が続いている間は、受給する年金との調整があるため「70歳以上被用者」として、算定基礎届・月額変更届・賞与支払届の提出が必要です。また、75歳からは後期高齢者医療制度に加入となるため健康保険も喪失します。 
                 
                (※1)被保険者にならない4つのケース 
                 ①日々雇入れられる人  
                 ②2ヶ月以内の期間を定めて使用される人 
                 ③季節的業務(4か月以内)に使用される人 
                 ④臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に使用される人 
                 
                4.短時間労働者に対する適用拡大 
                 
                 労働時間・労働日数が通常の労働者の4分の3未満の(一般の被保険者には該当しない)労働者のうち、下記の4つの要件に該当し、厚生年金保険の被保険者数が常時101人以上(※2)の適用事業所で働く短時間労働者は、適用拡大により被保険者となります。 
                 
                 ①週の所定労働時間が20時間以上であること 
                 ②賃金月額が88,000円以上であること  
                 ③継続して2ヶ月を超えて雇用される見込みであること 
                 ④学生でないこと 
                 
                (※2)令和6年10月以降は被保険者数が常時51人以上となります。 
                 
                5.保険料 
                 
                (1)標準報酬月額  毎月の給与から控除される保険料は、健康保険も厚生年金保険も標準報酬月額によって決まります。標準報酬月額は、原則として①取得時決定、②定時決定、③随時改定により算定しますが、健康保険は139万円、厚生年金保険は65万円の上限があります。 
                 
                ①取得時決定(取得届) 
                 労働者が入社したとき、パートタイマーの契約が変更したタイミング等で取得となりますが、一定の方法で給与見込額を算定します。 
                 
                ②定時決定(算定基礎届) 
                 毎年4・5・6月に実際に支払われた報酬(交通費含む)により、1か月の平均額で算定しますが、支払基礎日数(※3)が17日(短時間労働者は11日)未満の月は除外します。決定した標準報酬月額はその年の9月から反映されます。 
 4・5・6月とも支払基礎日数が17日(短時間労働者は11日)未満の場合、パートタイマーは支払基礎日数15日以上の月で算定しますが、通常の労働者(正社員)及び支払基礎日数15日未満のパートタイマーは、保険者算定として従前の標準報酬月額が引き続き適用されます。 
                 
                (※3)月額固定給の社員が満額支給の場合、支払基礎日数は暦日数ですが、欠勤等で減額された場合は欠勤控除の計算式により支払われた日数分となります。時給や日給で計算するパートタイマーは、出勤日数と有休日数の合計となります。 
                 
                ③随時改定(月額変更届) 
 昇給や交通費の変更等、固定給の変動があった場合に、その変動月から3か月間の報酬の平均額と現在の標準報酬月額に、2等級以上の差がある場合に変動月から4か月目の標準報酬月額が変更になります。 
 対象の3ヶ月間に支払基礎日数が17日未満の月が1か月でもある場合は、随時改定は行われません(パートタイマーも同様です)。また固定給の変動(上がり↑下がり↓)と報酬平均額の等級変動(上がり↑下がり↓)の矢印の向きが逆の場合も随時改定を行いません。 
                 
                (2)賞与保険料 
                 
                 【 賞与の保険料額=標準賞与額(※4)×保険料率 】 
                 
                 健康保険も厚生年金保険も賞与保険料は上記の算式により算定されます。ただし、厚生年金保険料は1回(1か月)ごとに150万円、健康保険料は1年度ごとに573万円の上限があります。 
                 
                (※4)標準賞与額とは賞与総額の千円未満を切り捨てた額をいいます。 
                 
                (3)介護保険料 
                 
                 40歳以上65歳未満の健康保険の被保険者は、健康保険料と併せて介護保険料を負担します。 
 
                ★次月号「⑤社会保険(後編)」に続きます。 
                 
                 
                 
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      私のオススメ      「 浅草の豆柴カフェ 」
          
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             まもなくお花見シーズンです。お花見スポットで有名な浅草にあるおすすめのお店をご紹介させていただきます。 
 浅草寺の新仲見世通りにある『浅草の豆柴カフェ』です。お店の名前の通り、豆柴(小型の柴犬)ばかりのお店です。 
 30分ごとの入れ替え制で、事前にチケットを購入します。お部屋に入ると11匹の豆柴がいて、直接触れ合えます。すぐに駆け寄ってくる犬もいれば、元気に走り回る犬もいます。お店にあるボールで一緒に遊ぶこともできます。見ているだけでも可愛らしいので、癒やされます。 
 豆柴にご興味がおありでしたら、一度訪れてみてください。 
 
            浅草の豆柴カフェ(https://owls-cats-forest.com/free/mameshiba-asakusa) 
             
             
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  あとがき
  
       大谷翔平が結婚した。事前に誰も予想できないくらい見事な発表だったが、全てが完璧すぎて彼は本当に人間なのかと疑いたくなる。サイボーグだろうがAIだろうが、今年も楽しませてくれるのなら私は全然OK!(喜志)