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(発行日 2024年4月15日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
税理士 坂部 達夫
あるカメラマンの方から、とても興味深い話を聞きましたのでご紹介します。私の趣味の一つに写真撮影があります。そして、最近私が考えている「写真上達法」を次のようにお伝えしました。
「私は、写真はとても下手ですが、最近面白いことを思いつきました。それは、たくさんの写真をとり、そのうち成功したものをより分ける方法です。例えば100枚とって、10枚成功とか。(坂部)」
その方は、私の話を受けて、「そうですね。たくさん撮ることはとても大切ですね。私の頭にはデータが入っていますが、たくさん撮らないと蓄積できません。」 「最近のカメラは高額で、高機能が売り物ですが、私は高いカメラでも安いカメラでもおなじように撮れます。」
写真は、露光(補正)やシャッタースピード、ピント、ホワイトバランス等の組み合わせにより出来上がりが決まってきますが、そのデータが頭に入っているということのようで、プロの凄みのあるコメントでした。
今月のトピックス
【不定期連載】労働者を雇ったら知っておくべきこと ~ ⑤ 社会保険(後編) ~ |
特定社会保険労務士 喜志 久美子
★前月号「④社会保険(前編)」からの続きとなりますが、今回は健康保険を中心にまとめます。
6.健康保険被扶養者認定基準
被保険者の家族を健康保険の扶養に入れる場合の一般的な基準です。税扶養とは考え方が異なりますので混同しないようご注意ください。
(1)被扶養者の範囲
被保険者の三親等以内の親族であり、主に被保険者により生計を維持(※1)されている次の人
(①は同居の必要なし、②③は同居の必要あり)
①被保険者の直系尊属、配偶者(事実婚含む)、子、孫、兄弟姉妹
②被保険者の配偶者(事実婚含む)の父母および子
③三親等以内の親族で、①②以外の人
(※1)生計を維持するとは、生計を同じくしている(同居しているもしくは、別居していても仕送りをしている)ことと収入要件を満たしていること
(2)収入要件
原則、認定対象者の年間収入が130万円(60歳以上または障害年金を受けられる程度の障害を有する者の場合は、年間収入が180万円)未満、かつ、被保険者の年間収入の1/2未満(※2)である場合に被扶養者となります。この年間収入額には、通勤交通費や各種年金、失業給付、傷病手当金等の非課税収入も含まれます。ただし、退職金や不動産売却益等の一時金は含まれず、認定対象日以降1年間の予定年収(給与収入等の場合は月額)で確認します。
(※2)認定基準における被保険者の年間収入は被保険者としての給与収入に限らず、それ以外の不動産収入や年金収入等も含みます。また、1/2未満要件に該当しなくても被保険者の年収を上回らない場合には、総合的に勘案して被扶養者となるケースもあります。
(3)国内居住要件 原則として、被扶養者は住民基本台帳に住民登録されている必要がありますが、海外留学生や海外赴任に同行する家族等、一定のケースでは「海外特例要件」に該当し被扶養者として認められる場合があります。反対に、住民登録されていても日本国籍を有していない場合は、その在留資格によっては認められないケースもあります。
(4)別居の場合(同居の必要がない被扶養者)
被保険者の収入により生計を維持していることが条件ですので、認定対象者の収入より多い額を定期的に送金(仕送り)している証明(振込依頼書の控等)が必要になります。
7.健康保険給付金
主な給付金を簡単に紹介します。(産休・育休関連の給付金は別の機会に紹介予定です)
(1)傷病手当金
被保険者が病気やケガ(業務上及び通勤途上の災害を除く)のために働くことができず、3日間連続して会社を休んだ(待期期間)後、さらに4日目以降も休んだ場合に、4日目以降の休んだ日に対して支給されるものです。休んだ期間について会社から傷病手当金の額より多い報酬を受けた場合には支給されませんが、3日間の待期期間は有給でも構いません。
※一定の要件により資格喪失後の継続給付が可能です。
(2)療養費
取得手続き中でまだ保険証が未交付のとき、保険証を忘れたとき、旅行中等に診療を受けたとき、医師の指示により義足やコルセット等の装具を装着した場合等、自費で診療を受けた場合にその費用(健保負担分)の請求を行うことができます。
(3)限度額適用認定証
重い病気等で長期入院したり手術を受けたりすると医療費が高額になりますが、年齢や標準報酬月額の区分により、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。限度額適用認定証は、事前に医療機関へ提出することで、窓口での支払いを自己負担額までに留めることが可能になります。後から払い戻される高額療養費部分を、最初から支払わなくていいという制度です。
8.健康保険任意継続制度
(1)退職等により健康保険を喪失したときに、次の2つの要件を満たした場合は、ご本人の希望により最長2年間、継続して被保険者となることができます。
①資格喪失日の前日(退職日)までに2ヶ月以上の被保険者期間があること
②資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること
(2)保険料は、退職時の標準報酬月額(上限あり)により決定しますが、事業主負担はありませんので、全額自己負担(原則勤務時の2倍)となります。納付期限までに納付されなかった場合は、自動的に被保険者資格を喪失することとなります。
(3)健康保険任意継続の間は、厚生年金保険には加入できませんので、20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入する必要があります。
9.おわりに 社会保険については細かいルールや例外もたくさんあり、すべてを掲載することはできませんので、気になることはその都度ご確認をお願いします。
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私のオススメ 「 荒川区瑞光橋あたり 」
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事務所の窓からも大きく見える東京スカイツリーですが、ここから見るツリーが一番好きという場所を持ってる人も多いのではないでしょうか。今回は私の個人的な好みの場所を紹介します。
都立産業技術高専荒川キャンパス(旧都立航空高専)近くの隅田川の土手の上にある瑞光橋(ずいこうばし)から見るスカイツリーです。最寄り駅(南千住)からも徒歩15分、川の反対側にある鐘ヶ淵駅からは徒歩18分もかかる不便なところですが、近くには桜並木もあり、お散歩やマラソンコースとして最適です。機会があれば、天気のよい日中はもちろん夕暮れの景色も楽しんでみてください。
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あとがき
先日、昼12時開演の舞台を友人5人で観に行った。待ち合わせも兼ねて劇場近くのレストランで早めの昼食をとったが、最近モーニングが充実しているレストランが増えてきたという話で盛り上がった。舞台も楽しかったが、今度はモーニングありきの計画を立てることになりそうだ。(喜志)