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(発行日 2025年6月13日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

税理士  坂部 達夫


 小泉進次郎農水大臣のメディアへの露出が目立ち始めています。自らを「コメ大臣」と称しているように、コメの高騰を抑えるために、備蓄米の低額での放出に意欲を燃やしています。水を差すようですが、少し気になる点を指摘してみます。
 ①備蓄米は、災害や天候不順などによる国民の食糧安全のためのもの。この備蓄米を国民の食の確保のために放出したら2ヶ月で底をつきます。
 ②備蓄米の随意契約には、競争性の欠如が付きまといます。特定の業者に限られることで価格の適正化が難しくなり、公平性の確保が困難であり、
  他の業者の参入機会が制限されることで市場の健全性を損なうおそれがあります。
 ③この備蓄米は、数年経つと飼料として売却されます。備蓄米の適正量の維持と、食味等考えると市場米とのブレンドもあっていいのでは。
 食料品の高騰は、コメだけではありません。「備蓄米の放出」という短期的施策のみならず、農地・農業の保全を視野に十分な議論を尽くしていただきたいものです。


 

今月のトピックス

ランド・スケープ・デザインと経営(者)との関係性  

税理士  坂部 達夫 


1.ランド・スケープ・デザインとは何

 ランド・スケープ・デザイン(以下、LSDと言います。)とは、「個人の庭」や「里山」など、建築物等を含んだ「空間」をデザインし、作ることをいいます。その意義は、人と自然の調和を創造し、環境・社会・文化に持続的な価値をもたらすことにあります。
 空間を単なる装飾ではなく、機能性、美しさ、環境への配慮を総合的に考慮し、地域や社会と共生しながら、人々に癒しや感動を与える場をつくることがLSDの本質的な役割です。

2.庭を考える

 特に庭(庭園)はLSDの主要なターゲットです。庭は個人や住宅のプライベートな空間で、自然との触れ合いや癒しを提供する場です。LSDとは、その庭を、建物や周辺環境との調和を考慮しながら、美しさや機能性、持続可能性を高めるための設計手法でもあります。つまり、庭はLSDの具体的な表現の一部であり、LSDは庭を通じて自然と人、建物、地域との関係をつなぐ役割を果たします。

3.経営者の庭とLSD

 LSDは、単なる外構や庭の装飾にとどまらず、経営者の価値観や経営理念、さらにはライフスタイルや社会への姿勢を可視化する重要な要素です。言い換えますと経営者の家は単なる私的空間であると同時に、社会に対して「経営者自身の姿勢」を示すメッセージの場ともなり得ます。その意味で、LSDは、経営者の価値観や哲学を、自宅の庭という自然や空間を通じて表現し、訪れる人々や地域社会に対して無言のうちに影響を与える役割を持っています。
 例えば、経営者の庭に、在来種の樹木や地域の気候に合った植物が植えられ、化学肥料を極力使わず、雨水の循環利用やビオトープを設けるなど、環境への配慮が施されているとします。こうした配慮は、経営においても「持続可能性」を重視する姿勢の延長線上にあり、訪問客や取引先、地域住民に対して「この経営者は長期的視点で物事を考え、環境にも配慮している」という信頼感を生むはずです。
 逆に、過剰に手入れされ、人工的に整えられた庭は、一見美しいものの、短期的な成果を追求する経営姿勢を映し出す場合もあるのです。

4.もてなしの心

 さらに、LSDは「もてなしの精神」の表れでもあります。経営者の家はしばしば接待や会議の場としても使われますが、来客を迎えるアプローチや玄関前の植栽、庭の景色、光と風の流れ方、そして四季折々の変化は、訪れる人々に安らぎや感動を与え、経営者の人柄や価値観を無言のうちに伝えることになります。
 例えば、季節ごとの草花が咲き誇る庭や、自然石を用いた小径、竹垣のしつらえなどは、伝統文化への敬意や美意識を示し、日本的な「おもてなし」の心を体現するものとなります。

5.承継への意識

 さらに、経営者の家のLSDは「時間」の概念を内包しています。木々が育ち、苔が広がり、自然と共に歳月を重ねていく庭は、経営者自身の成長や企業の持続的発展を象徴する存在となります。短期的な利益を追求する姿勢ではなく、長期的な視野を持って社会や人々と関わり合う姿勢が、庭の在り方にも反映されるのです。経営者が引退後も残る庭は、次世代へのバトンとしての役割も果たし、企業の理念や文化を無言のうちに次の世代に伝える装置となります。

6.地域社会との関わり

 経営者の家のLSDは、地域社会との関わりにおいても重要な意味を持っています。例えば、庭を地域の行事や子どもたちの自然体験の場として開放したり、収穫できる果樹や菜園を設け、地域住民と共に収穫祭を楽しむなど、経営者が「開かれた家」としての姿勢を示すことで、企業としての社会的責任(CSR)の一端を担うことにもなります。このように、LSDは単なる装飾を超えて、経営者が社会とどのように関わりたいか、どのような価値観を大切にしているかを示す「場」となるのです。

7.まとめ

 総じて言えるのは、LSDは経営者の「生き方」や「企業理念」を象徴的に表現する手段であり、単なるデザインや装飾の問題にとどまらず、社会に対する姿勢や持続可能な未来への責任を映し出す鏡であるということができます。経営者の家のLSDは、時に経営の価値観そのものを語り、訪れる人々に深い印象を与え、また次世代へのメッセージとしての役割も果たします。経営者がどのような価値観を大切にし、どのような未来を描こうとしているのか。それは、言葉ではなく、庭の姿や自然との関わり方の中に、そっと表れています。皆さんのお庭にLSDの設計は如何ですか?  


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あとがき
 家にテレビが1台しかなかった子供の頃、野球の裏番組が観られなくて「お父さん飲みにでも行けばいいのに・・」なんて思っていた。そんな父の涙を初めて見たのは長嶋茂雄選手の現役引退のときだった。今ならわかるミスターの魅力・・・ご冥福を祈る。(喜志)


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